8月の世界粗鋼生産3.4%増 40カ月連続プラス

2019/9/27 15:32
保存
共有
印刷
その他

世界鉄鋼協会が27日までにまとめた8月の世界64カ国・地域の粗鋼生産量(速報値)は、前年同月比3.4%増の1億5603万トンで40カ月連続のプラスだった。最大の生産国である中国が9%増と伸びた一方、米国は鈍化した。米中貿易戦争の長期化で景気減速が鮮明となり、高水準の生産を続けてきた米国の成長に息切れ感が出ている。

中国の増産に警戒感が高まっている(日本製鉄の鹿島製鉄所)

中国の粗鋼生産量は9.3%増の8725万トン。42カ月連続のプラスだった。景気刺激策を背景に現地の鉄鋼メーカーが強気の増産を続けている。日当たりの粗鋼生産量は2.4%増と2カ月ぶりのプラスだった。

一方、米国は0.3%増の749万トン。19カ月連続のプラスだが、伸び率は輸入関税を発動する前の2018年1月以来の低水準となった。USスチールが全米で減産に入るなど、貿易戦争による需要減が鮮明になっている。

日本も電炉、高炉とも生産が減少し、2カ月連続のマイナスだった。

インドは1.5%増の9350万トンで5カ月連続のプラス。建材向けが伸びているとみられる。

日本鉄鋼連盟(鉄連)の北野嘉久会長(JFEスチール社長)は「世界経済の減速感が否めない」と話す。アジアで自動車需要の減速が鮮明になるなか、輸出が多い日本の鉄鋼メーカーへの影響も懸念される。

北野会長は「中国の生産は年間で10億トンに迫る勢いだ」とし、過剰生産の拡大に懸念を示す。中国は増産を続ける一方、国内の景気減速で内需は振るわず、鉄鋼価格も下がっている。今後安値の鋼材輸出が増えれば、東南アジアの鋼材市況を一段と低下させる可能性がある。

電子版の記事が今なら2カ月無料

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]