缶コーヒー各社、本格追求で消費者「奪還」

日経産業新聞
2019/9/28 2:00
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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

飲料各社が秋冬商戦に向けて、缶コーヒーのてこ入れに乗り出している。サントリー食品インターナショナルは「飲みきりサイズ」を強調して若者や女性を開拓。キリンビバレッジやダイドードリンコは主力ブランドを刷新し、本格派の香りやコクを訴える。飲みやすいペットボトル入りのコーヒーに消費がシフトするなか、各社は「缶ならでは」の価値を打ち出し、市場の活性化を目指す。

サントリー食品は缶コーヒー「BOSS」の新シリーズを立ち上げた

サントリー食品は缶コーヒー「BOSS」の新シリーズを立ち上げた

サントリー食品は缶コーヒー「BOSS」に、新シリーズの「カフェ・ド・ボス」を加えた。缶コーヒーの購入者は中高年の男性が中心だが、あえて女性や若者を主力ターゲットに据えた商品を投入した。

カプチーノ味など若者に人気の風味を取り入れつつ、容器は懐かしさを感じさせるレトロなデザインを採用した。テレビCMなどを通じた広告では、仕事の合間に一息つくのにちょうどいい「飲みきりサイズの缶コーヒー」というイメージを訴える。

近年はデスクワークをしながら少しずつ飲めるペットボトル入りのコーヒーが消費を伸ばしている。半面、休憩のきっかけがなくなりがちだと感じている消費者もいるといい、商品開発や販売促進のコンセプトに生かした。

キリンビバレッジは主力の「ファイア」を刷新する。2019年は発売20周年に当たることから、シンボルである「火」のマークをより強調したパッケージを採用。コーヒー豆の焙煎(ばいせん)法も、従来より高温のじか火で仕上げることで、独特の焙煎香を引き出したという。

ダイドーも「デミタス」ブランドの缶コーヒーを刷新。コクの深い本格派のイメージを強く打ち出している。

ペットボトル入りのコーヒーは飲みやすさを優先し、薄味ですっきりとした味わいの商品が多い。キリンビバやダイドーは香りやコクを重視した商品設計で、缶コーヒーならではの飲み応えを強調していく。

このほか、コカ・コーラグループは「ジョージア」で、アサヒ飲料は「ワンダ」で有名アニメとコラボした販促を展開している。アニメのファン層を含めた新たな需要を開拓する狙いだ。

調査会社の富士経済(東京・中央)によると、18年の缶コーヒー市場は6095億円で、10年前に比べ2割縮小した。ペットボトル入りやコンビニエンスストアのコーヒーの飲用者が増えているのと対照的だ。

それでも飲料各社のコーヒー事業全体では今も缶入りが金額ベースで7割を占める。各社はペットボトル入りで新たな消費者を獲得しつつ「缶離れ」を防ぐ、新たな商品戦略が求められている。

(企業報道部 柏木凌真)

[日経産業新聞2019年9月26日付]

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