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ワタミCEOに渡辺氏 「成長エンジン」どこに、縮小均衡に焦り

2019/9/27 13:05
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ワタミは27日、10月1日付で創業者の渡辺美樹取締役が代表取締役会長に就くと発表した。7月に同社の経営に復帰にして3カ月足らずだが、最高経営責任者(CEO)を兼任し経営のかじ取りを担うことになる。渡辺氏が政治家となりワタミを離れた間に、外食業界を取り巻く経営環境は急速に厳しくなった。今回、就任後すぐに還暦を迎える元「青年社長」は新たな成長エンジンを見いだせるのかが問われる。

5月にインタビューに応じた渡辺氏は「創業者としての責任を果たす」と話した

ワタミは「ミライザカ」など外食事業が復調している

「これだけの経営資源があったら5千億円(の売上高)が当たり前だ。こう叱咤(しった)激励するのは創業者としての責任だ」。取締役として経営への復帰が決まった5月、渡辺氏は日本経済新聞社のインタビューにこう答えた。渡辺氏が政界に転じたのは2013年。それ以来、ワタミの成長は足踏みしている。

変調が明らかになったのは14年3月期、連結売上高は1631億円と過去最高を記録したものの上場来初の最終赤字に転じた。屋台骨の居酒屋事業が揺らぎ、介護や宅食といった事業も伸び悩んだ。

再建にあたった清水邦晃社長は15年に介護事業を売却。祖業の居酒屋「和民」ブランドで不採算店を整理したり、「ミライザカ」といった鶏料理を主力に置いた店舗に転換したりして、17年3月期には営業黒字化。以来、2期連続で営業増益を確保している。

20年3月期には6期ぶりの増収を見込むが、先行きは不透明だ。渡辺氏がワタミの成長をけん引してきた00年代は居酒屋チェーンの成長期だった。ただ、日本フードサービス協会によると居酒屋・パブの売上高は、09年から10年連続で前年を下回るなど厳しい経営環境が続く。

足元では協業関係の解消も相次いだ。宅食事業などでの相乗効果を見込んで16年に締結したコメ卸大手の神明ホールディングスとの業務提携や、中国進出のパートナーとなっていた海航集団(HNAグループ)系との提携を解消。国内外ともに戦略の見直しを迫られている。

ワタミは、外食事業を基盤に、介護や宅食などの事業をM&A(合併・買収)で取得し、店舗を増やすことで規模を拡大させてきた。ただ、国内市場は人手不足が深刻化し、これまでのような大量出店は難しくなっている。

「6次産業化や環境エネルギーなど以前から取り組んでいた事業のポテンシャルを出し切れていない」と渡辺氏は話す。こうした事業を規模拡大に直結させるには投資や時間も必要だ。手元には、介護事業売却の時に得た資金など、140億円近い現預金も残っている。新たな成長エンジンをどう生み出すか。新設したポストのCEOに就く渡辺氏に委ねられた。

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