アマゾン「アレクサ」眼鏡や車にも 米IT、音声AIに力

2019/9/26 20:10
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【シアトル=高橋そら】米アマゾン・ドット・コムが人工知能(AI)「アレクサ」を搭載したウエアラブル機器を強化している。25日には音声で操作できるイヤホンや眼鏡を発表した。家庭で使うスピーカーや家電にとどまらず、屋外に持ち運びできる製品にアレクサの活用を広げる。音声認識AIは米アップルや米グーグルも力を入れる。生活に密着して様々なデータを取り込む攻防が激しさを増している。

アマゾンは音声認識AI「アレクサ」を搭載した眼鏡型の端末を発売する(25日、シアトルでの製品発表会)

「家の外でも完全にハンズフリーで音声AIを操作できる」。ワシントン州シアトルで開いた製品発表会でアマゾンのデバイス担当責任者、デイブ・リンプ上級副社長は強調した。アレクサを搭載したワイヤレスのイヤホン「エコー・バズ」は音声だけで電話をかけたり近隣の情報を検索できる。1セット129.99ドルと手ごろな価格を意識した。眼鏡や指輪といったウエアラブル端末も試験販売を始める。

アマゾンが目指すのはあらゆるハード機器が音声で操作できる世界だ。2014年に発売したスピーカーを皮切りに、今では時計や電子レンジにもアレクサを搭載している。25日には米自動車大手ゼネラル・モーターズとの提携を発表した。高級車「キャデラック」などにアレクサを搭載していく。

アマゾンが18年に発表した「コネクトキット」は家電メーカーなどが自社製品に組み込むだけでAIスピーカーと連動する機能を付加できる仕組みだ。アレクサで動かせる製品はすでに8万5千品以上にのぼる。アマゾンは自社のスマホ製品を持っていないため、音声AIをハードメーカーに浸透させて「経済圏」を広げる狙いだ。

他のIT大手も音声認識AIを重点的に開拓している。グーグルはスマートフォンだけでなくスピーカーや空調機器なども展開、米フェイスブックもビデオ電話ができるハードを18年に発売した。

米調査会社CIRPによると、19年6月時点でAIスピーカーの家庭への導入台数は約7600万台と3カ月間で1割増えた。米国内のシェアはアマゾンが70%と、グーグル(25%)やアップル(5%)を上回る。1年で最も消費が盛り上がる年末商戦に向けて各社の値下げ合戦が予想されるなかで、機能面での差別化が重要になっている。

ただ、音声データの収集・分析にはプライバシー保護が大きな課題になる。米アップルは8月、スマートフォンなどで使う音声アシスタント「Siri(シリ)」の会話内容の分析を中止した。アマゾンは近く音声履歴を自動で消去するサービスも提供を始める。収集するデータの範囲が広がるにつれて、個人情報保護とのバランスがますます難しくなっている。

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