日米合意で国内対策へ 政府が農家支援、輸出も促進

2019/9/26 19:30
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【ニューヨーク=辻隆史】日米両首脳が25日(日本時間26日)に貿易協定の締結で合意したのを受け、政府は新たな国内対策を検討する。牛肉などの農産品で国内農家を支援しつつ、輸出の推進といった「攻め」にも目配りした新たな支援方針を策定する。その上で、年末にまとめる見込みの2019年度補正予算案などへの反映をめざす。

日米両国は農産品、工業品、デジタル分野でのルールづくりの3分野で貿易交渉の最終合意に達した。このうち農産品では、日本側の市場開放について環太平洋経済連携協定(TPP)で認めた水準の枠内にとどめた。

例えば牛肉にかかる38.5%の関税率は、協定発効後はTPPに加盟する他国と同じ水準に引き下げ、最終的に9%にする。豚肉も同様に引き下げる。一方、米国への輸出では日本産牛肉の低関税枠を事実上、拡大する措置をとる。しょうゆや菓子類、切り花など、日本の事業者の輸出への関心が高い42品目の関税削減・撤廃を実現した。

これを踏まえ、政府は国内対策の検討に着手する。米国産牛肉や豚肉で輸入増が見込まれることに対応するため、国内畜産業や関連流通業の競争力強化策を盛り込む。

具体的には子牛の共同育成施設の設置や現場への機械導入などを通じ、畜産業のコスト削減を進める。米国への輸出環境が整うことを受け、国産牛肉の海外展開も支援する。

政府のTPP等対策本部や農林水産省が与党と調整し、今秋をめどに「TPP等関連政策大綱」を今回の合意を受けた内容に改正する方針。江藤拓農相は26日、農林水産省内で記者団に大綱を見直す考えを示した上で「将来的には国内への影響は無視できない。牛肉に限らず、日本の農業が傷まないよう目配りしたい」と述べた。

過去のTPP対策では、15年にまとめた大綱に基づき、15年度補正予算で3122億円、16年度補正で3453億円を計上した経緯がある。

国内対策は農業予算の膨張につながる可能性もあり、財政当局と調整する。対策の効果の見極めなど慎重な検討が必要になる。

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