福島第1「敷地拡大は困難」、処理水保管で 経産省

2019/9/26 18:00
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経済産業省は26日、27日に開く東京電力福島第1原子力発電所の処理水に関する小委員会に提示する資料を公表した。タンク増設のための敷地拡大は「難しい」とする事務局見解を示す。廃炉・汚染水対策は「敷地内で進めることが大前提」との方針を確認する。

福島第1原発では放射能に汚染された水を浄化した後の処理水が1000基近くのタンクに約115万トンたまっている。2020年末までに計137万トン分のタンクを建設するが、東電の試算では22年夏に満杯になる。

8月に開いた小委では一部の委員から「敷地を拡充すべきだ」との声が出ていた。ただ、福島第1原発の周りでは放射能に汚染された地域の除染で出た廃棄物を保管する中間貯蔵施設の整備を国が進めている。

施設整備の余裕がないうえ、自治体などから原発の敷地拡大の理解を得ることも難しいという。東京電力ホールディングスも27日の小委で「リスクの存在地点が広がることから望ましくない」との見解を示す。

東電は20年代に原子炉から取り出した溶融燃料(デブリ)の保管などに必要な施設が順次必要になるとの見通しを示す。敷地内でタンクをさらに増やそうとすれば、施設の建設が遅れて廃炉作業が滞るとの認識を示す。

処理水には浄化しても取りきれない放射性物質トリチウムを含む。トリチウムを含む水は通常の原発でも環境中に放出されているため、希釈すれば安全上問題ないとされる。

小委では海洋放出など5つの処分方法を検討中だが、地元などから風評被害への懸念が出ていて、決めきれていない。東電は27日の小委で仮に海洋や大気に放出する場合、風評被害を抑制するために第三者による水の分析や異常時の放出停止などの対策をとると説明する。

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