米、工作機械の関税撤廃 燃料電池やメガネも

2019/9/26 11:39
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【ニューヨーク=辻隆史】日米首脳が25日午後(日本時間26日未明)に締結で合意した日米貿易協定では、工作機械など自動車以外の日本の工業品に米国がかけている関税の削減・撤廃が一定程度、実現した。自動車と自動車部品については米国による追加関税の回避を確認できたものの、過去の環太平洋経済連携協定(TPP)に盛り込まれていた関税の削減・撤廃は見送られた。

「自動車分野における日米間の自由で公正な貿易環境が維持・強化されることを歓迎する」。日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は26日朝、菅原一秀経済産業相との意見交換会で、同日未明に日米首脳が合意した貿易協定の内容を評価した。米国による自動車への追加関税を回避できた点を評価したものとみられる。

ただトランプ政権が離脱を決める前のTPPには、米国が日本から輸出される自動車にかかる2.5%の関税を25年目に撤廃し、部品は87%の品目で即時撤廃することが盛り込まれていた。

今回の協定の合意では自動車と同部品の関税を撤廃する方針は明記したものの、時期は明示せず交渉を続けることになった。自動車同様、トラックやバスの関税についても撤廃が見送られた。関税をゼロにするための部材調達比率を定めた「原産地規則」は協定で規定しなかった。

一方、他の米国向け工業品では関税引き下げが進む。工作機械はマシニングセンターの4.2%の関税を2年目に撤廃するほか、旋盤や鍛造機も2年目に撤廃する。エアコン部品(現行1.4%)や燃料電池(2.7%)、メガネ・サングラス(2~2.5%)は即時撤廃となる。一方、日本が米国から輸入する有税の工業品に関しては関税下げを認めなかった。

米国産農産品に対する日本市場の開放はTPPで認めた水準の枠内にとどめた。米国は一部のチーズやバター、脱脂粉乳など33品目で米国産品に輸入枠の設置を迫っていたが、見送る。米国産ワインの関税は撤廃する。

日本産牛肉の米国への輸出については、米側が日本向けの低関税枠を事実上、拡大する措置をとる。米国向け輸出ではしょうゆや菓子類、冷蔵のながいもなどで関税の削減・撤廃を獲得した。

江藤拓農相は26日、日米貿易協定の農業分野の合意内容について「TPPの範囲内に収めることができた」と強調した。その上で「日本の農業が痛まないよう目配りしたい」と語り、農業対策の拡充に意欲を示した。

日米両首脳はデジタル分野でのルールである「デジタル貿易協定」でも合意した。人工知能(AI)などの計算手順にあたる「アルゴリズム」や機器を動かすソフトウエアの設計図にあたる「ソースコード」について、国が企業に開示を求めるのを原則禁じる。データの自由な流通を促すため、音楽や映像といったデジタル製品に関税を課さないことも取り決めた。

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