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豊島逸夫の金のつぶやき

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国債や預金、「安全資産神話」の崩壊

2019/9/26 9:35
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「マイナス金利の国債を満期まで持ち切れば損する」

「銀行に預金すれば手数料を徴収される」

このような事例が相次ぎ報道され、個人投資家は動揺している。国債も預金も元本保証の安全資産ではなかったのか、という素朴な疑問である。このままでは「貯蓄から投資へ」どころか、タンス預金が増える結果になる可能性がある。

とはいえ、マイナス金利政策の仕組みや銀行経営への副作用を初心者に分かりやすく説明するのは難しい。理解するには最低限の金融知識が必要だ。中国・韓国情勢に関してはテレビのワイドショーを通じてプロ並みの情報を得ているが、こと経済となると円高・円安の説明を聞くだけで目が泳ぐ。投資セミナーは全国で頻繁に開催されているが、参加するほどの投資意欲を持つ人はごく一部にすぎない。

その少数派のセミナー参加者にも「焦りを感じて出席した」という危うい人たちが目立つ。「お隣さんはアベノミクス相場とかトランプ相場とかで大もうけしたらしくて、連休には家族でハワイに行った。私は何もしていない。慌てて駅前書店のビジネス書コーナーに出向いたが、書いてある内容が全く理解できない」。このように横並び意識の強い日本人らしい発言が珍しくない。

筆者は「自分だけ出遅れたという感覚は危険。そもそもトランプ相場を読み切れるプロなど世界に一人もいない。なぜなら、トランプ米大統領自身が、どうなるか分かっていないのだから。焦って金融商品の余計な売買をしてもうけるのは、手数料を得る業者だけ」と警告している。

いまや安全資産などない時代。それゆえ投資に関しては、まずリスクに慣れることが重要だ。ホットな投資につかるまえに、かけ湯感覚で地味な積み立て投資から始めよ、と説く。損したときの感覚を実体験しないとオロオロするだけだ。とくにインターネット経由で注文する投資は、夜間に自室に1人で籠ってキーボードをたたくことが多い。このため損失が生じたときの焦りが増幅されがちだ。

そのような実体験を経て、筆者も子供のときからの金銭教育の必要性を痛感している。とはいえ、これは10年単位の時間を要する。

若い世代は余裕資金も乏しいため「自己投資」と割り切って学ぶことから始めるのが賢明だ。老後まで時間はたっぷりあるのだから「焦るな」と語っている。

筆者が持て余し気味の世代がバブルを体験した人たちだ。「夢をもう一度」という感覚を捨てきれない。安全資産神話の崩壊といった表現にもめげない。「あなたはプロなのだから裏技があるはず。それを聞きにきた」と詰め寄ってくる。「投資の世界に占いの水晶玉などない」と答えると、なんと「ケチ」と言われたりする。知っているのに出し惜しみしていると思われているわけだ。あぜんとするばかりである。セミナー会場の雰囲気も「もうけたい」との意識がムンムンと満ちている。

対して、若い世代が中心のセミナーだと素直に勉強するために参加する人たちが多い。会場の雰囲気も予備校の講義のようになり、サラサラとメモする音だけが響く。氷河期世代ゆえ、そもそも「もうけ話」など怪しいと冷ややかにみている。それでもせめて将来に備えて、資産の自己防衛のことは知っておきたい、との発想である。

株価に関する質問も対照的だ。バブル世代は「どこまで上がるか」がほとんどだが、若い世代は「下がるとすればどこまで下がるのか」との問いが目立つ。

ちなみに、これが機関投資家になると、開口一番「よそさんは、どうなんでしょうか」と聞かれることが珍しくない。運用で損しても、皆一緒なら社内で不問に付されるのだろう。

個人投資家は自分だけが何とかもうけようと頑張る傾向があるが、機関投資家は自分だけ損することが悪夢なのだ。そのプロの機関投資家たちこそ、マイナス金利の痛みを最も強く感じている集団でもある。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
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