麻取部が違法捜査疑い 覚醒剤事件で無罪、大阪地裁

2019/9/25 20:04
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大阪府内で覚醒剤を使ったとして覚せい剤取締法違反(使用)罪に問われた50代の男性被告の判決で、大阪地裁(渡部市郎裁判長)は25日、押収証拠を巡り「近畿厚生局麻薬取締部の違法捜査の疑いが残る」と指摘し、無罪を言い渡した。

大阪地裁(大阪市北区)

公判で弁護側は、麻薬取締部が内偵捜査で男性がごみ置き場に捨てた覚醒剤入りの袋を取得。その後の家宅捜索でこの袋を室内に置き、押収証拠とする違法捜査があったと主張した。

地裁も「違法性は重大だ」と認め、裏付けの核となる陽性反応の尿鑑定結果を「証拠として許容することは違法捜査抑止の見地から相当でない」と証拠から排除した。

判決理由で渡部裁判長は、洗面台の上に置かれていた袋が、捜索開始直後に現場を撮った写真に写っていない上、開始の約1時間半後に見つかったとする経緯を問題視。「容易に発見できる状態なのに、捜査官9人の捜索で1時間半も見つからなかったのは不審な点が残り、違法捜査の疑いを強める」と指摘した。

その上で(1)男性が捜査段階や被告人質問で使用を認める供述をした(2)室内から覚醒剤が検出された注射器が見つかった――との証拠を考慮しても、「注射器が使用された時期は定かではなく、自白の真実性を保証する補強証拠は存在しない」と判断した。

男性は2017年10月7~17日、大阪府内などで覚醒剤を使用したとして起訴された。求刑は懲役3年だった。

近畿厚生局麻薬取締部は、取材には応じられないとしている。

大阪地検の畝本毅次席検事の話 当方の主張が認められなかったことは遺憾。判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対応する。〔共同〕

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