西日本シティや鹿児島銀、企業のSDGs支援 認定や寄付型ローン

2019/9/25 19:41
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国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」に関する企業の取り組みを支援する動きが九州の地方銀行で広がっている。西日本シティ銀行は企業の取り組みを評価するサービスの付いた私募債の取り扱いを始める。鹿児島銀行は私募債だけでなく寄付型の事業性ローン商品を開発し、利用企業の間口を広げた。

鹿児島銀行のSDGs推進私募債による寄付金目録の贈呈式(8月、鹿児島市)

西日本シティ銀は25日、SDGs私募債(社債)の取り扱いを10月に始めると発表した。発行企業から受け取る手数料の一部(発行金額の0.2%に相当)を、福岡県内のフードバンクや生協でつくる福岡県フードバンク協議会などに寄付。子どもに無料または安価で食事を提供し、地域交流の拠点とする「子ども食堂」の活動を支援する。

目新しい点は、九州経済調査協会(九経調)と連携して発行企業のSDGsの取り組みを「認定」するスキームを設けたことだ。西日本シティ銀の営業店が企業から環境経営や女性活躍といった取り組みをヒアリング。それをもとに九経調は、SDGsで掲げられている17の目標に沿うかを確認して報告書にする。

発行企業には評価されたSDGs目標のマークが入った記念品を贈呈。社会貢献の取り組みを対外的にアピールしやすくなる。西日本シティ銀の担当者によると、すでに地場の食品関連など数社が関心を示しているという。10月からの下半期で、学校などへの寄付が付いた他の私募債と合わせて、20億円規模の取り扱いを目ざすとした。

ふくおかフィナンシャルグループも24日、傘下4行で発行額の0.1%相当を寄付する私募債の取り扱いを始めたと発表した。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンや日本学生支援機構などの寄付先から発行企業が選定することができる。

SDGsを企業行動につなげる「サステナビリティ宣言」を九州地銀で初めて策定した九州フィナンシャルグループ。傘下の鹿児島銀は8月に金利収入の一部を地方自治体などのSDGs関連の取り組みに寄付する「かぎんSDGs推進ローン」の取り扱いを開始した。6月から「SDGs私募債」と「SDGs医療機関債」を取り扱っているが、発行できる企業は限られる。ローンにも同様のスキームを広げることで、SDGs関連の取り組みをさらに加速させたい考えだ。

新たに取り扱いを始めたSDGs推進ローンは鹿児島、宮崎、沖縄の3県の法人と個人事業主が対象。寄付先はあらかじめ鹿児島銀が指定した自治体などから選べ、沖縄・奄美の世界自然遺産登録に向けた取り組みや宮崎県のユネスコエコパークに関する各種取り組みになどに充てる。

寄付は鹿児島銀名で実施し、一定期間分を取りまとめて実行。同ローンで融資を受けた企業名は「協力企業」として公表する。寄付・寄贈先を指定し、贈呈式もできる「SDGs私募債」などに比べて自由度は低いが、融資金額3000万円から利用できるため、より多くの企業がSDGs関連の活動に参加できるとみている。今年度中に融資総額で数十億円規模の取り扱いを見込んでいる。(久保田泰司、今堀祥和)

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