資産形成の議論再開へ 金融庁 報告書は事実上の撤回

2019/9/25 18:02
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金融庁は25日の金融審議会総会で、老後に約2000万円が必要とした報告書を麻生太郎金融相に答申しないまま、国民の資産形成に向けた議論を10月に再開すると決めた。報告書はホームページでは公開を続け、公文書として扱う。金融審の作業部会による今後の議論には生かす方向だ。

報告書をまとめた「市場ワーキング・グループ」は新たなテーマで議論を仕切り直す。かんぽ生命保険の不適切な保険販売などを踏まえ、2016年策定の「顧客本位の業務運営に関する原則」が実務に反映されているかを確認し、不十分なら法令による制度化や具体的な指針の整備を検討する。金融機関の商品やサービスの向上を通じて国民の資産形成を促す。

菅義偉官房長官は25日の記者会見で、報告書の事実上の撤回について「世間に著しい不安を与えた」と指摘。「公的年金は将来にわたり持続可能な制度を構築しており、年金こそが老後の生活設計の柱だ」と語った。

金融庁の中島淳一企画市場局長は25日の総会で「世間に著しい誤解や不安を与えた」と陳謝し「安定的な資産形成の実現に向けて環境を整備することは引き続き重要な課題だ」と強調した。

委員からは報告書について「内容は間違っていない。世間の反応を忖度(そんたく)せずに自由に議論してほしい」と求める意見が出た。

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