宇宙滞在は生殖に影響せず マウス1カ月飼育

2019/9/25 10:35
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国際宇宙ステーションにある日本の実験棟「きぼう」で約1カ月間飼育した雄のマウスを地球に帰して調べた結果、宇宙滞在による生殖機能への影響はなかったと、大阪大微生物病研究所の伊川正人教授(生殖生物学)らのチームが25日までに発表した。

「きぼう」まで運ばれ、ほぼ無重力状態で飼育されるマウス(JAXA提供)

「きぼう」まで運ばれ、ほぼ無重力状態で飼育されるマウス(JAXA提供)

宇宙滞在が哺乳動物の生殖器官に与える影響について明らかにしたのは世界初としており、人類が宇宙旅行をする際などの基礎的な知見になりそうだ。成果は英科学誌電子版に掲載された。

研究では繁殖能力のある雄のマウス12匹をロケットを利用してきぼうまで運んだ。ほぼ無重力か地上と同じ重力の、2つのパターンの環境をつくれる装置の中でマウスの精子形成にかかる日数とされる35日間飼育した。

滞在中、いずれのマウスも健康状態に問題はなかった。すべての個体を地球に生還させ調べた結果、宇宙滞在中に作られた精子が卵子と受精する能力や、生殖器官の組織構造と遺伝子にも異常はなかった。

宇宙滞在したマウスの精子を使って生まれた子どもも健康で、成育や生殖機能も正常だった。チームによると、宇宙では無重力や強い放射線、精神的なストレスなどさまざまな影響が及ぶ。

伊川教授は「何か影響が出るかもしれないと考えていたが、予想外だった。雌の生殖能力への影響や、宇宙で妊娠、出産できるかどうかが今後の課題だ」と話している。

これまで哺乳動物を宇宙で飼育し地球へ生還させるのは難しかったが、チームは宇宙環境に適した飼育装置を開発し、可能にした。

〔共同〕

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