日立、初のESG説明会、ガバナンス強化で低評価払拭

2019/9/24 18:19
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日立製作所は産業機器など5つの事業部門の監査を強化する。24日に開かれた日立初のESG(環境・社会・企業統治)説明会で明らかにした。2018年に上場子会社の日立化成で品質検査不正が発覚。約800の子会社を抱えるなか、グループ全体のガバナンスを強化する。同業他社と比べ相対的に低いESG評価を高める狙いだ。

19年度から5つの事業部門で監査担当役員を任命した。担当役員が中心となって、それぞれの事業部門に属する子会社と日立本体の監査部門で情報を共有し、不祥事などが起きないようにグループ間の連携を徹底する。

背景にあるのは、日立のESG経営に対する外部評価の低さだ。ESG評価機関の米MSCIが世界の主要約7500社を対象にしたESGの格付け調査では、独シーメンスや米アクセンチュアが最上位の「AAA」だったが、日立は7段階で上から4番目の「BBB」にとどまる。世界に多くの子会社を抱え、一元管理が難しいことから、特に労務管理と調達リスクの面で低い評価となった。

日立グループのガバナンスについては、上場子会社の日立化成で昨年、品質不正問題が発覚した。業績面では他の上場子会社も苦戦しており、「日立本体として、どう統治していくのかが課題」(アナリスト)との指摘がこれまでも出ていた。

ESGのうち「環境」については、原材料の調達から生産など全体のバリューチェーンで、21年度に二酸化炭素(CO2)を10年度比20%超削減する目標を説明した。

ただ課題も残る。日立は19年1月、英国で計画していた原子力発電所の建設事業の凍結を決定した。この日の説明会ではアナリストからの原発に関する質問について、内藤理・執行役常務が「気候変動だけでなくエネルギーの安定供給から原発を考えないといけないと思う」と回答。原発事業の位置づけについては、それ以上の詳しい説明を避けた。

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