イーグルバス 最適ルート・ダイヤで集客力向上
埼の強み

2019/9/24 15:37
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蔵づくりの街並みとして観光客から人気を集める川越。名所を巡る「小江戸巡回バス」を運行するのがイーグルバス(埼玉県川越市)だ。路線バスや空港連絡バス、高速バスを含め計6ルートを走行する。独自開発したシステムを使って最適なルートやダイヤを組み立て、乗降客数を伸ばした。実績をもとにコンサル事業でアジアにも展開、活躍の場を広げている。

「小江戸巡回バス」は川越の名所を巡るバスとして人気だ

もともとは旅行業を営んでいた同社だが、地元川越の観光を盛り上げようと1995年ごろに巡回バスを始めた。その後、2003年に路線バス事業に参入、06年に大手バス会社から日高市の路線バス事業を引き継いだ。

バス事業を拡大するなかで、最適なルートとダイヤを見つけようと開発したシステムが同社の飛躍の鍵となった。バスの乗降口にセンサーを付け、全地球測位システム(GPS)も搭載。どのバス停で、いつ、乗降客が何人いるかとの情報を収集し、走行ルートや本数を調整している。巡回バスは年2回見直し、ムダなく運行しながら利用客数の拡大を目指す。

路線バスでは観光施設が近い場所に「ハブ停留所」を設けて、乗客が乗り換えしやすくした。10年にハブ停留所を設置し、16年には東秩父村でも路線を再編した。人口減少で過疎化が進むなか、観光客が利用しやすい交通網を策定して観光客を呼び込みつつ、地域の足としてのバスの存続を目指す。ときがわ町の路線バスの乗降客数は再編して4年後にそれ以前と比べ約4割増えた。

ただ国内の乗り合いバスの市場は縮小傾向にある。70年前後は年間約100億人だったのがこの数年は約40億人とされる。国内の事業環境が厳しくなるなか、同社は国際協力機構(JICA)の中小企業海外展開支援事業に採択されたのを機に、16年から本格的にラオスのバス運行のコンサルティングに乗り出した。

同社が開発したシステムやハブ停留所の仕組みを導入し、現地でも最適なルートやダイヤを整えることに成功した。赤字の原因となっていた給与体制の見直しや社員教育にも携わった。ラオスのバス会社の社員を研修に呼ぶ機会もあり「交流で新しい知見を得られ、アイデアを生み出すきっかけになっている」(谷島賢社長)という。

今後は他の国でのコンサル事業の展開も目指す。谷島社長は「国境という垣根を越えて、地域の人たちと連携しながら『交通街づくり』を促したい」と意気込む。(伴和砂)

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