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国内最大のバランス型「円奏会」(話題の投信)

2019/9/26 12:00
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東京海上アセットマネジメントが運用する「円奏会」という愛称の投資信託が人気を集めている。正式名は「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)」。国内の資産だけで運用する地味めの投信だが、安全志向の個人マネーを引き寄せ、いまや国内最大のバランス型に成長した。

「円奏会」の純資産総額(残高)は8月末時点で6300億円程度。バランス型以外を含めても国内で3番目に大きい公募投信だ(ETFを除く)。昨年の同時点で13位だったのが、この1年でめきめきと順位を上げた。過去1年間の資金流入額は2000億円近くにのぼり、バランス型では断トツ。同じマザーファンドで運用する年1回決算型にも1000億円超の資金が流入した。

投資対象は国内の債券、株式、不動産投資信託(REIT)。3つの円建て資産に分散投資し、基本の配分比率は債券が70%、株式とREITがそれぞれ15%とする。相対的にリスク(価格の振れ幅)が小さい債券の比率は常に一定に保ちつつ、金融ショックなどが起きた場合は株式とREITの比率を落とし、その代わりに短期金融資産を組み入れる。どんなに相場が乱高下しても、ファンドの基準価格の変動リスクを年率3%程度に抑えて「守り」を固める運用だ。

2012年11月に設定されたこのファンドは、もともと「預貯金の代替」の運用商品として誕生した。主に取り込んだのは、ゆうちょ銀行の定額貯金の満期と個人向け国債の償還を迎えた安全志向の個人マネーだ。どれくらい低リスクなら「受け皿」になりやすいかを研究し、計量分析を用いて、組み入れる資産や配分比率などファンドの枠組みを決めた。設定来の運用成績(分配金再投資ベース)は8月末時点で38.12%。「ありそうでなかった『守りながら増やす』ファンド」(10月1日付で執行役員投信本部長に就任する江面幸浩氏)として人気を上げてきた。

個々の組み入れ銘柄にもこだわっている。銘柄選定は年金運用で培ったノウハウを応用し、債券、株式、REITそれぞれの専門部署が担当。債券は主にシングルA格以上の信用力が高い社債の中から、独自の信用リスク分析を重視しながら相対的に利回りの高い銘柄を選ぶ。株式は価格変動率が低くて高配当の銘柄、REITは流動性や信用力を考慮して銘柄を組み入れている。

毎月支払う分配金は1万口あたり30円(14年7月~19年8月の実績)。毎月分配型の中には運用益と比べて過大な分配金を出し続けたあげく、基準価格が設定当初の1万円を大きく割り込んでいるファンドも多いが、「円奏会」はずっと1万円以上を維持してきた。「無理な分配はしない」(江面氏)という方針を貫いている。

販売会社は増え続け、8月末時点では77社(取次登録金融機関を除く)になった。6月に高齢者への不適切な投信販売が判明したゆうちょ銀行からの資金流入は細っているようだが、「証券会社経由の販売が着実に増えている」(投信営業部マーケティンググループの沼澤一久課長)。毎月決算型と年1回決算型を合わせた残高が1兆円に近づいており、各資産のマザーファンドの運用への影響などについて検討する段階に入ってきている。

(QUICK資産運用研究所 望月瑞希)

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