スペイン、11月10日にやり直し総選挙
【パリ=白石透冴】スペインで11月10日、やり直しの総選挙が実施されることが決まった。上下院は24日に解散する。4月の総選挙でどの党も過半数を獲得できず、憲法が定めた期限の23日までに誰も首相指名を受けられなかったため。世論調査によると、11月の再選挙では現与党の中道左派社会労働党が議席を伸ばすが、過半数には届かない見通しだ。政治の混乱が長引く可能性はある。
4月の総選挙で第1党となった社会労働党党首のサンチェス首相は急進左派ポデモスとの連立交渉を続けたが、閣僚ポストを巡って合意できなかった。
スペイン大手紙パイスが報じた18~20日実施の世論調査によると、定数350の下院では社会労働党が132議席に伸ばして第1党になるが、過半数の176には届かない。ポデモスは42議席から38議席へと微減する見通し。サンチェス氏は左派政権の樹立を目指しており、選挙後もポデモスとの交渉が焦点となる。
右派勢力では、中道右派国民党が66から94席と挽回すると予想される。4月に初めて下院で議席を得た極右ボックスは24から18議席に減らす。
スペインの総選挙は11月の分を含め、この4年間で4回目になる。欧州債務危機を機に既存政党への失望感が強まり、新興政党にも票が分散する現象が続いている。スペインの経済規模はユーロ圏4位の大きさ。同国政治の停滞は欧州全体の景気減速に拍車をかけかねない。