イラン外相「戦争止める努力続ける」 茂木外相と初会談

【ニューヨーク=宮坂正太郎】国連総会のため米ニューヨークを訪問中の茂木敏充外相は23日午前(日本時間同日夜)にイランのザリフ外相と会談した。茂木氏は「サウジアラビアの石油施設への攻撃によって深刻な事態になっていることを大変懸念している」と憂慮を示した。ザリフ氏は「我々は戦争を止めるための努力を続けていきたい。イエメンの戦争も止めたい」と述べた。
サウジアラビアの石油施設攻撃に関し、米国などはイランの関与を疑っており、緊張が高まっている。イランと友好関係を維持してきた日本は対話を促す方針で、茂木氏は会談で中東の緊張緩和と情勢安定化に粘り強く取り組む考えを示した。ザリフ氏は「日本の外交努力に非常に感謝している」と語った。
イランが核合意の義務停止の範囲を広げていることを巡っては、茂木氏がザリフ氏に懸念を示し、核合意を損なう措置を控えるよう求めた。ザリフ氏は中東情勢に関し「戦争を起こすような考え方がまん延している」と主張した。米国などの動きを念頭においた発言とみられる。
両氏の会談は茂木氏の外相就任後初めてで、約25分間にわたり意見交換した。日イラン両国は24日午前に安倍晋三首相とロウハニ大統領の首脳会談を予定している。
首相は6月、日本の現職首相として41年ぶりにイランを訪問し、最高指導者ハメネイ師やロウハニ師と会談した。ザリフ氏は5月と8月の2度にわたり来日し、首相や河野太郎前外相と会談している。