LNG拡大へ官民で1兆円 脱石油依存へ開発強化

2019/9/23 23:00
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中東産石油への依存を減らし、産出国が世界に散らばるLNGの開発を強化する(米国から日本に到着したLNG船、2018年5月)

中東産石油への依存を減らし、産出国が世界に散らばるLNGの開発を強化する(米国から日本に到着したLNG船、2018年5月)

政府は世界の液化天然ガス(LNG、)利用の拡大に向け、日本の官民で総額100億ドル(約1兆円)を投じる方針を打ち出す。採掘するためのプラント建設など開発事業への官民の出資や政策金融による支援が柱だ。サウジアラビアの石油施設攻撃で資源の安定供給に懸念が生じている。中東産石油への依存を減らし、産出国が世界に散らばるLNGの開発を強化する。

LNGの産出国と消費国の閣僚や企業が集まる26日の「LNG産消会議」で、菅原一秀経済産業相が表明する。1兆円の支援は国際協力銀行(JBIC)や日本貿易保険(NEXI)など政策金融のほかに、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)や商社、金融機関による出資が含まれる。プラントやLNGを受け入れる基地、発電所建設などにあてる。

足元では米国による制裁が発動されたイランも含め、中東への輸入依存はリスクが高まっている。資源輸入国の日本は原油における中東依存度は9割近くにのぼる。

2017年の純輸出シェアに関する国際エネルギー機関(IEA)の統計によると、原油は中東が6割を占めるのに対し、LNGは中東が2割にとどまる。ロシアやオーストラリア、アフリカなど産出地域が多様だ。

利用拡大に向け、民間資金を活用する。政府が全額出資するNEXIの新しい貿易保険制度を導入して、海外ファンドなど機関投資家によるLNG関連の投融資を全額保険でカバーする。

会議ではアジアでのLNG市場拡大を見込んで、LNG受け入れの関連技術や環境規制の整備に関わる専門人材を500人育成する方針も表明する。日本は17年の会議でも5年内に500人育成する方針を掲げた。近く達成する見込みで追加で500人を育成する。

政府は17年のLNG産消会議でも100億ドルの支援を打ち出した。その後、三菱商事が英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルなどと組み投資を決定したカナダの「LNGカナダ」や、ロシアのガス大手ノバテクが北極圏で計画し三井物産も参画する「アークティック2」など4つの大型案件で目標額の支援を達成した。17年に続き、大型支援に乗り出す。

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