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ヤンキース地区V、ここから問われる選手の真価

スポーツライター 杉浦大介

9月19日、ホームでのエンゼルス戦に勝ったヤンキースは、イチロー、黒田博樹らが属した2012年以来、久々のア・リーグ東地区制覇を果たした。シーズン中盤以降は、2位以下を大きく引き離しての独走優勝。そういった結果が信じられないほど、今季は本当に多くのケガ人に見舞われてきた。

開幕時のスタメン9人のうち、アーロン・ジャッジ、ジャンカルロ・スタントン、ゲイリー・サンチェス、ディディ・グレゴリアスなど8人が負傷者リスト(IL)入りを経験。シーズンを通じて合計30人がILに入り、全部で53選手を起用して何とか乗り切ってきた。

新戦力台頭、合言葉は「次はおまえの番だ」

そんな中でも、野手ではDJ・ラメーヒュー、ジョバンニ・ウルシェラ、投手ではドミンゴ・ヘルマンといった、開幕前は主力と考えられていなかった選手たちが続々と台頭。開幕スタメンの中で唯一IL入りしなかった2年目のグレイバー・トーレスも、40本近い本塁打を放って成長を示した。それらの過程で「Next Man UP(次はお前の番だ)」がチームの合言葉になった。

「特に前半、戦力が全然そろわない中でも勝ち続けた。そろったと思ってもまたケガ人が出て、なかなかメンバーがそろわない中で、ずっと高い勝率で勝ってこれている。強いと思います」

ヤンキースでの6年目を迎えた田中もそう語って目を細めていたが、実際に厳しい状況でも勝利のペースが落ちなかったことは底力の証明と言ってよい。本命視されるアストロズ、ドジャースとともに、本来であればヤンキースも今季の優勝候補と目されてしかるべきだったのだろう。

ただ、ポストシーズンを目前に控えた現時点でも、ヤンキースの誤算は続いている。サンチェス、アーロン・ヒックス、エドウィン・エンカーナシオンといった主力打者は依然として故障中。投手陣では復帰したばかりだったデリン・ベタンセスが19日、アキレス腱部分断裂で再離脱してしまった。さらに20日には、チーム最多の18勝を挙げていたヘルマンの家庭内暴力事件が発覚し、残り試合の出場が危ぶまれている。

ポストシーズンこそ看板選手の出番

結果として、ヤンキースがベストに近い陣容でポストシーズンに臨むのは難しそうな気配だ。シーズン中は「Next Man UP」の精神で勝ち抜いてこれたが、レベルの上がるプレーオフでも同じことが可能なのか。通算28度目の世界一を目指す名門チームにとって、不安材料は少なくない。

ポストシーズンは往々にして各チームのスーパースターの存在がものをいう。今後はやはりルイス・セベリーノ、アロルディス・チャプマン、ジャッジ、スタントンといった看板選手たちの力が重要になってくる。そしてその中に、今季はやや波が大きかったが、それでも11勝を挙げて6年連続2桁勝利を達成した田中も含まれるのだろう。

「本当にいいチーム。あとは結果を出していくしかない。それだけのタレントはそろっていると思います」

そんな言葉通り、上位進出を可能にするには、過去3度のプレーオフで防御率1.50と大舞台に強い田中自身も結果を出さなければいけない。

シーズン中は独走した後だけに、今秋のプレーオフは"世界一以外はすべて失敗"と騒がれるはずだ。ヤンキースのスター選手たちは、「この時期のために高給を支払われている」といっても過言ではない。その勝負強さが改めて問われる季節が、ニューヨークでまもなく始まる。

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