中国代表団、米農家の視察を中止 10月に閣僚級協議
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【ワシントン=鳳山太成】米中両政府は20日、貿易問題を巡る2日間の次官級協議を終えた。中国政府の代表団は来週、西部モンタナ州の農家を視察する予定だったが、中止となった。トランプ米大統領がこだわる米農産品の輸入拡大で、議論が難航した可能性がある。10月に予定する閣僚級協議に向けて、両政府の駆け引きが続きそうだ。

米通商代表部(USTR)は「議論は生産的だった」とし、計画通り10月に閣僚級協議を開くとの声明を発表した。ワシントンで開いた次官級協議では農産品のほか、知的財産侵害など中国の構造問題を話し合ったもようだ。対面交渉は7月末に上海で閣僚間で実施して以来、約2カ月ぶり。
モンタナ州の農業団体によると、中国代表団が23日から25日まで牛肉や穀物の生産地を訪れる予定だったが、帰国を早めなければいけなくなったという。パーデュー米農務長官は19日、中国の視察目的について「友好を築くためだ」と指摘し、米農産品の購入拡大に期待を示していた。
トランプ氏は20日、中国が農産品輸入を増やし始めたことについて「求めている水準ではない」と記者団に述べ、大量購入を改めて要求した。暫定合意を検討する可能性に触れていたが、同日は「部分合意でなく完全な合意を求める」と語った。2020年の大統領選前の合意は「必要と思わない」と話し、長期化も辞さない構えをみせた。
トランプ氏は10月15日に予定通り、2500億ドル(約27兆円)分の中国製品に対する制裁関税を引き上げると改めて言及し中国に譲歩を促した。