埼玉県、CO2削減で中小・医療施設に緩和へ

2019/9/20 19:00
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埼玉県は、二酸化炭素(CO2)排出量が多い事業所を対象にした「目標設定型排出量取引制度」の第3計画(2020~24年度)を立てた。県が算定した基準排出量から業務ビルは22%、工場は20%の削減率を目標にする。一方で中小企業や医療施設には削減率を緩和するほか、環境負荷の少ない電力を使った場合、排出量に反映できる仕組みも導入した。

中小企業が取り組みやすいよう、目標の削減率をこれまでの4分の3に緩和する。中小企業の業務ビルは16.5%、工場は15%の削減率を目標とする。中小企業は資金力などの問題で大企業よりも取り組みが難しいことから緩和した。また、高度な医療技術などで電力消費が多くなりがちな医療施設の削減率も通常の業務ビルよりも2%緩和し、20%とする。

排出量の削減は電力効率が高い設備への更新、発光ダイオード(LED)の導入のほかに、低炭素電力の調達でもできる。太陽光や風力、水力エネルギーなどをもとに得られた電力を調達すると、排出量を抑制したと計算してもらえる。従来は再生可能エネルギーによる電力調達でも算定には反映できなかった。

埼玉県は目標設定型排出取引制度を11年度に設けた。約600事業所が対象で、基準排出量は事業所ごとに過去の排出量の平均などから算定する。基準比の削減率が目標を下回った場合は、排出量取引を行うことで、目標を達成できる仕組みだ。

同様の仕組みを導入しているのは、国内では埼玉県と東京都のみだという。埼玉県は19年6月、世界銀行がシンガポールで主催した気候変動対策の国際会議に参加し、制度について発表した。

県によると、第2計画期間の2年度目となる16年度は全体で排出量を28%削減したものの、約4分の1の事業所は削減率が目標値未満だという。特に資金や人材不足の中小企業では削減が難しい。県では中小企業や医療企業向けに補助制度などによる経済的支援や、省エネに詳しい専門家を派遣し、効率的な設備の使い方などを助言する技術支援にも取り組む。(藤田このり)

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