IR誘致で補正予算成立 横浜市議会、調査費など2・6億円

法務・ガバナンス
2019/9/20 19:18
保存
共有
印刷
その他

カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致に向けた関連費用2億6000万円を盛り込んだ、総額34億9100万円の横浜市の9月補正予算案が20日の本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。治安やギャンブル依存症対策などを求める付帯決議も採択した。立憲・国民フォーラムなど野党側は反発を強め、本会議は断続的に紛糾した。

補正予算案は与党などの賛成多数で可決・成立した(20日、横浜市議会)

補正予算案は与党などの賛成多数で可決・成立した(20日、横浜市議会)

山下公園に隣接する山下ふ頭がIRの候補地に挙がっており、港湾業者らが加盟する横浜港運協会の藤木幸夫会長は20日、「予算施行を止める決断を市長に期待したい」とのコメントを発表した。同協会はIR誘致に反対しており、今後は混乱も予想される。

20日の横浜市議会本会議では補正予算案をめぐり、与野党が激しく対立した。自民の山下正人議員は「我が国の観光に寄与しないといけない」と述べる一方、「もし(IR)事業者が提案してきた整備計画が陳腐なものであれば、そのとき初めて反対しようじゃないか」と野党側をけん制した。公明党の斎藤真二議員は「横浜にまた来たいと、国内外から選ばれるような区域整備計画とすべきだ」と理解を求めた。

立憲・国民フォーラムの有村俊彦議員は「市の将来をカジノには託せない」と強く反発。他の野党議員からも「市民の声に耳を傾けることを一番始めにやるべきだ」「市民の重大な不信感が市議会全体に及ぶことを覚悟しないといけない」などと強く抗議した。

100人超の傍聴席はほぼ反対派で埋まり、本会議は終始やじが飛び交う展開となった。本会議の開会前には、IR誘致に反対する市民の多くが市庁舎を包囲して抗議するなど一時、騒然となった。

林文子市長は本会議終了後、市民の民意を反映していると思うか、との記者団の質問に「得られていないとは思っていない。(補正予算案は)二元代表制の下で可決された」と語った。その上で「市政のベースは常に(市民の)意見を伺うというのは変わっていない」と述べ、市内全18区で開く市民説明会に自ら出向いて市民の理解を求めていく意向を改めて示した。

補正予算案は専門的な調査分析を監査法人などコンサルタント会社に委託するなど「アドバイザリー支援」費用として約7700万円を計上。このほか、ギャンブル依存症の実態把握に向けた経費も盛り込んだ。

予算成立を受け、横浜市は今後、実施方針の策定やIR事業者の選定作業に入る。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]