日韓対立、2国間解決難しく WTO審理入りの公算

2019/9/20 23:00
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日韓両政府が世界貿易機関(WTO)への提訴を巡って2国間協議を始める。韓国は日本による輸出管理の厳格化がWTO協定に違反するとして訴えており、安全保障を理由に妥当性を主張する日本と対立している。協議の期限となる60日以内での解決は難しく、第一審にあたる紛争処理小委員会(パネル)での審理に移る公算が大きい。

菅原一秀経済産業相は20日の閣議後の記者会見で「WTO協定と整合的だという日本の立場は変わらない」と語り、韓国が求めた2国間協議に応じると明らかにした。

韓国の産業通商資源省高官は同日、「迅速な問題解決につなげたい」とコメントした。解決できない場合は「WTOにパネル設置を要請し、本格的な紛争解決手続きに進む」という計画だ。

WTOは貿易紛争の処理を二審制とし、まず2国間で解決方法をさぐる協議が起点となる。韓国が提訴した翌日の12日から60日以内に協議で進展がなければ、韓国は第一審にあたるパネルでの審理を要請できる。判決内容にどちらかが不服な場合は最終審にあたる上級委員会に移る。

提訴から上級委の判断まで2年以上かかるのが通例だ。日本製産業用空気圧バルブに対する韓国の輸入関税の引き上げが不当だとして日韓が争ったケースでは、2016年3月の提訴から上級委での最終判断まで約3年半かかっている。

上級委は機能停止寸前の状態に陥っている。定数は7人だが、過去の審理に不満をもちWTOを批判する米国が再任や補充を拒んでいる。審理に最低限必要な3人しかおらず、12月にはさらに2人の任期が切れて新規案件が処理できなくなる見込みだ。上訴しても紛争が宙に浮く可能性が高い。

日本政府は7月、半導体製造に使われるフッ化水素など3品目について、韓国に輸出する際の審査を厳しくした。韓国政府はこの措置がWTO協定に違反するとして今月11日に提訴を発表した。

韓国は提訴の理由として、日本が輸出管理を厳格化した背景に元徴用工問題の報復という「政治的動機」があると主張する。WTOは加盟国間の差別を禁じる「最恵国待遇」の原則を持ち、輸出入ともに数量制限を禁じている。韓国はこれらを定めた関税貿易一般協定(GATT)第1条や第11条に日本が違反していると訴える構えだ。

18日には日本を輸出管理の優遇対象国から除外した。対抗措置ではなく「国際輸出統制の趣旨に合わない運用を日本がしたためだ」として、WTO協定違反には当たらないと主張している。

日本は安全保障上の必要な措置だとする立場を崩さない。WTOは安保を理由としたGATT第21条の例外規定を設けており、これらを根拠に反論する見通しだ。

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