古民家再生を応援 南都銀や三井住友系がファンド

2019/9/20 16:39
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南都銀行は三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、古民家再生のNOTE(ノオト、兵庫県丹波篠山市)と組み、古民家をホテルなどにリノベーションする総額15億円の新ファンドを立ち上げる。まずは奈良県田原本町の江戸期創業のしょうゆ醸造元を復活させ、高級宿泊施設を軸とした観光施設に再生する。今後5年で奈良県内を中心に20~30施設の再生を目指す。

歴史的価値の高い古民家を再生していく(奈良県田原本町)

歴史的価値の高い古民家を再生していく(奈良県田原本町)

20日、南都銀、NOTE、SMFLが100%出資するSMFLみらいパートナーズでファンドの運営会社「奈良古民家まちづくりパートナーズ」を設立。11月に運用を開始する。対象物件のある地域で特別目的会社(SPC)を立ち上げてもらい、SPCに投資する仕組みを想定。古民家は私有物だが、地域で活用する機運を盛り上げたり、雇用を確保したりする狙いがある。

田原本町で計画されているのは1689年創業の「マルト醤油(しょうゆ)」を活用したプロジェクト。最盛期には皇室にも献上されていたというが、戦後に原料の確保が難しくなり操業停止。醸造場や居住棟に加え道具類、古文書などが当時のまま残されている。18代当主にあたる木村浩幸氏が2017年に新たに会社を立ち上げ、約70年ぶりに蔵付き酵母を使った試験醸造を始めた。

第1弾としてしょうゆ醸造屋敷をリノベーションする(奈良県田原本町)

第1弾としてしょうゆ醸造屋敷をリノベーションする(奈良県田原本町)

約1500平方メートルの敷地に蔵付きの母屋や納戸、離れがあり、いずれも築130~140年とみられる。皇族が宿泊した部屋もある。こうした蔵元屋敷の雰囲気を残してレストランやカフェ、醸造体験ができるコーナーに加え、全7室、最大30人程度が宿泊できる客室に改装する。敷地内の醸造蔵は製造工場として再開する。国や県の補助金も活用し、改装費は総額約2億円。20年7月ごろの開業を目指す。

インテリアや雑貨類は若手デザイナーらによるスタートアップから納入。他の古民家や神社など一帯の資源を「面」として活用し、農業体験などを提供する計画もある。

奈良は景観上の配慮などから開発や建物の高さに関する規制が厳しいエリアが多く、文化財級の古民家や蔵が多く残る。利活用には地域団体やオーナーらとの調整に時間が掛かることもあり、期限のある補助金などの活用が難しい面もあった。

南都銀はこれまでも政府系ファンドと組み、奈良市の酒蔵を宿泊施設に再生するなど観光活性化を目指した投資を行ってきたが、今回は古民家再生に特化する形とした。

(岡田直子)

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