キリバスも台湾断交、中国と国交へ ソロモンから連鎖

米中衝突
2019/9/20 16:33
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台湾の蔡英文総統への中国の圧力が強まっている(16日、台北市内)

台湾の蔡英文総統への中国の圧力が強まっている(16日、台北市内)

【台北=伊原健作】台湾の外交部(外務省)は20日、南太平洋の島しょ国・キリバスから外交関係を断絶するとの通告を受けたと発表した。同国は中国と国交を樹立する見通しで、台湾側は即日断交した。台湾は16日にも同じ地域のソロモン諸島との外交関係を失ったばかり。独立志向を持つ与党・民主進歩党(民進党)の蔡英文政権に対する中国の圧力が強まっている。

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16年に発足した蔡政権が外交関係を失うのは7カ国目で、関係を維持するのは残り15カ国まで減った。キリバスは人口10万人強の小国だが、ソロモンに続き5日間で2カ国と断交する異例の事態だ。中国は10月1日の建国70周年を前に台湾への圧力を強める。ツバルなどにも「断交ドミノ」が波及する懸念が出ている。

呉●(かねへんにりっとう)燮・外交部長(外相)は20日に台北市内で記者会見し、「中国が金銭を使って台湾の国際空間を圧迫している」と批判した。中国がキリバスと国交を結ぶため旅客機やフェリーを贈るとの情報があるという。台湾側も直近で航空機の購入費用を負担するようキリバス側から求められていたが、断っていた。

呉氏は会見で「(中国が)いくら圧力をかけても自由と民主を求める台湾の人々を変えることはできない」とし、「独裁主義の中国に絶対に屈服しない」と反発した。

台湾は2020年1月に次期総統選を控える。香港で政府への抗議活動が激化するなか、香港と同じ「一国二制度」による台湾統一を目指す中国への警戒感が台湾でも高まり、対中強硬姿勢の蔡氏を後押ししている。中国は蔡政権への圧力を強めて再選を阻む姿勢を鮮明にしている。

中国外務省の耿爽副報道局長は20日の記者会見で南太平洋のキリバスが台湾と断交したことについて「高く称賛する」とコメントした。「ソロモン諸島とキリバスが相次いで(台湾は中国の一部だとする)一つの中国の原則を認めた」と強調した。

中国共産党の習近平(シー・ジンピン)指導部が今年最も重視している10月1日の建国70周年を前に、台湾と国交を結ぶ国に積極的に断交を働きかけているとの見方がある。中国共産党の機関紙、人民日報(電子版)など中国メディアは台湾とキリバスの断交が発表されると相次ぎ速報を流した。

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