信州大など、海水淡水化の試験設備 運転開始

2019/9/20 19:30
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信州大学アクア・イノベーション拠点は炭素系素材のカーボンナノチューブを使った膜で海水を淡水化する試験設備の運転を始めた。これまで海水を模したモデル水で膜の性能を確認してきたが、実際の海水を使っても膜の性能を維持できるかを確かめる。淡水化装置の需要が見込まれる中東や北アフリカでの実験を経て、早期の実用化を目指す。

カーボンナノチューブを使った膜で海水を淡水化する試験装置(信州大学アクア・イノベーション拠点提供)

実証実験は北九州市に設けた施設で実施する。5月から装置の性能を確認する試運転をしており、10月以降、膜の性能を確認する本格的な実験を始める。一日に11トンの海水を処理して、開発した膜と市販の膜の性能を比較する。

海水を淡水化する技術はすでに実用化しているが、膜に不純物が付着して目詰まりしたり、不純物を薬剤で洗い流す際に膜を傷めてしまったりする課題があった。カーボンナノチューブを使うことで目詰まりしにくく、薬剤にも強い膜ができる。開発した膜を使えば、淡水の製造コストを3割程度削減できるとみている。

信州大学アクア・イノベーション拠点は、ナノカーボンの世界的な研究者として知られる信州大学の遠藤守信特別特任教授や日立、東レ昭和電工などが2013年に立ち上げた。

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