フェイスブックCEO、トランプ大統領と会談 批判回避が狙いか

【シリコンバレー=中西豊紀】米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は19日、ワシントンでトランプ大統領と会談した。内容は明らかになっていないが、ネット上の情報バイアスの問題や規制のあり方などについて意見を交わしたとされる。政界では市場独占など同社への批判が高まっており、トップ自ら「ご説明」に向かったもようだ。
トランプ大統領が自身の執務室で握手をする二人の写真をツイートした。トランプ氏は「ナイスな会議だった」とコメント。フェイスブック広報は「建設的な話し合いがなされた」としている。ザッカーバーグ氏は18日の時点でワシントン入りしており、有力議員らとデータ保護や不正コンテンツの監視、規制の是非などについて話し合ったという。
ザッカーバーグ氏が公式にワシントンを訪れるのは18年4月の議会公聴会以来。この時は英コンサルティング会社への大規模な情報流出が発覚した直後で、個人情報の保護をめぐる同社の姿勢に政界からの批判が高まっていた。
今も足元では司法省と米連邦取引委員会(FTC)が反トラスト法(独禁法)違反で同社を調査中。米下院も同法にからみフェイスブックに質問状を送っている。デジタル通貨「リブラ」の導入をめぐっても議員からの反発が出ている。2020年の大統領選を控え、SNSを通じた海外による選挙介入を防ぐよう求める声も強まっている。
今回の説明行脚が今後の当局の動きや規制議論に影響をおよぼすかは不透明。ただ、ザッカーバーグ氏は18年4月以降は議会での証言出席などを再三断ってきており、ワシントンに改めてくすぶる「反フェイスブック」ムードに強い危機感を抱いている可能性が高い。

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