消費者物価8月0.5%上昇 2年1カ月ぶり水準に鈍化

2019/9/20 10:17
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総務省が20日発表した8月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は、変動の大きい生鮮食品を除く総合が101.7と前年同月に比べて0.5%上がった。上昇率は2年1カ月ぶりの小ささだった。市場では物価は消費増税後も停滞するとの見方が強まっている。2%の物価上昇を目指す日銀は、10月に物価の動きを再点検する方針だ。

変動の大きい生鮮食品を除いた品目で上昇したのは298品目、下落したのは164品目、横ばいが61品目だった。

上昇率が縮小した要因としては、エネルギー価格が下落したことが大きい。原油価格は直近、サウジアラビアの石油施設が攻撃を受けたことで一時急騰したが、中期的には下落基調にあった。8月はガソリンが前年同月比で4.8%低下した。灯油も1.3%下がった。電気代や都市ガス代は上昇率が縮んだ。

6月以降の携帯電話大手の値下げを反映し、8月は通信料も5.7%下がった。

一方、菓子類や外食などは原材料費や人件費の高まりから、価格が上がっている。家電を含む家庭用耐久財も5.4%の上昇。増税前の駆け込み消費について総務省の物価統計室は「価格の動きでは判断しにくい」との説明にとどめた。

デフレからの脱却を目指す政府・日銀にとって物価の伸び悩みは大きな懸念材料だ。日本経済研究センターがまとめた民間エコノミスト約40人の予測平均で、19年度の物価上昇率は0.8%程度にとどまる。

10月の消費増税はCPIを押し上げるが、家計の負担を和らげるための教育無償化や携帯値下げなどの政策要因が逆に下押し圧力となる。海外経済の不透明感などから消費者の心理が悪化しており、企業が値上げを続けるのが難しい環境でもある。

日銀は18~19日の金融政策決定会合後の公表文で「物価安定の目標に向けたモメンタム(勢い)が損なわれるおそれについて、より注意が必要な情勢になりつつある」と明記。次回10月の決定会合で「経済・物価動向を改めて点検していく」との方針を示した。

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