北海道の地価、「札幌圏」「ニセコ」勢いも二極化鮮明

インバウンド
2019/9/19 17:08
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北海道は19日、2019年の基準地価(7月1日時点)を発表した。林地を除く北海道の平均価格(1平方メートルあたり)は3万5400円で、変動率はマイナス0.2%と28年連続の下落だった。リゾート地や札幌市近郊のベッドタウンの住宅地の勢いで下落率は9年連続で縮小したものの、人口減少が続く地域との二極化傾向も続いた。

訪日客が多い地域はホテル需要が高く、地価の上昇も目立つ(函館市内)

訪日客が多い地域はホテル需要が高く、地価の上昇も目立つ(函館市内)

北海道の地価トップは住宅地が札幌市の地下鉄東西線「円山公園」駅に近い北海道神宮北側(中央区宮ケ丘2の474の86、1平方メートルあたり28万1千円)。1989年以来31年連続でトップを守っている。商業地は35年連続で札幌駅南の中央区北3条西2の1の13外(同354万円)が首位だった。住宅地、商業地とも上位10位までの全地点が札幌市内だった。

住宅地の平均価格は1平方メートルあたり1万9200円。変動率はマイナス0.5%と22年連続の下落となったが、下落率は前年より0.5ポイント縮小した。前年と比較可能な743地点中146地点で地価が上昇した。

札幌市の住宅地の平均変動率は6.1%と、前年比2.2ポイント上昇。札幌市内で上昇率が高かったのは白石区(8.3%)、厚別区(7.8%)で、繁華街のある中央区の上昇率(7.5%)を上回った。北海道不動産鑑定士協会の斎藤武也氏は「白石区や厚別区は値ごろ感が強く、需要が高い」と話す。市中心部の地価が高止まりし、地下鉄やJR駅から近い地域に人気が集中している。

地価上昇は札幌市近郊の江別市(0.9%)、恵庭市(2.8%)、北広島市(4.7%)にも波及。斎藤氏は「安くて便利なところを求め、外縁部でも需要が高まっている」と分析する。

一方、北海道全体の商業地の平均価格は8万3700円で変動率は0.7%と2年連続でプラスだった。札幌市の平均は11.0%上昇した。

市町村別では千歳市の住宅地が7.8%、商業地が11.2%と上昇率が高い。自衛隊の安定需要に加え、新千歳空港の従業員のための共同住宅用地で需要が高い。帯広市も住宅地、商業地ともに上昇。商業地は18年まで26年連続で下落していたが「底値を打って上昇に転じた」(斎藤氏)。住宅地の上昇率は2.7%。住宅需要は近隣にも流れ、音更町で住宅地が2.4%上昇した。

ただ北海道全体を見れば地価は低迷が続く。全179市町村のうち平均変動率が下落したのは住宅地が151自治体、商業地は134自治体と圧倒的多数を占めている。住宅地の下落率で道内ワースト10位はすべて空知地方の自治体が占めた。全国ワースト10に住宅地で道内7地点、商業地で6地点が入った。

工業地は0.7%の上昇で、27年ぶりに上昇に転じた。札幌市と新千歳空港に近く利便性の高い北広島市が14.8%上昇してけん引した。

(荒川信一)

「第2のニセコ」も、インバウンド頼みどこまで
 訪日外国人観光客(インバウンド)の勢いが北海道の地価を押し上げる構図は続いている。世界的なスノーリゾートとして外国人に人気の倶知安町は別荘やペンションの多い樺山地区の地点の上昇率が66.7%に達して4年連続で全国トップ。住宅地の平均上昇率も54.7%と高い伸びだ。
 倶知安では従業員用の住宅確保のためリゾートから離れた駅近くの市街地でも地価が上昇しており、住宅地の地価上昇率で全国3位までを同町の地点が占めている。
 富良野市の住宅地も平均で2.3%上昇した。外国人による土地の売買が急増し、地価を押し上げている。旅館やペンションが立ち並ぶ北の峰地区では50以上の外国資本が不動産を取得。通年で楽しめる観光資源を持ち「第二のニセコ」として期待が高まっている。
 商業地では、ホテル建設ラッシュが続く札幌市内の繁華街・すすきの地区やJR札幌駅周辺、大通公園が全体をけん引した。倶知安町は商業地も平均66.7%上昇し、倶知安駅の駅前通りに面する倶知安町北1条西2の18の上昇率が全国トップだった。ニセコ周辺では外国資本の高級コンドミニアムやホテルの建設が相次ぎ、国内企業も開発に乗り出している。
 函館市や小樽市でも商業地が上昇している。函館駅前ではホテルの建設ラッシュが続く。今後数年で市内の客室数は1万を超える見込みだ。小樽市の商業地は28年ぶりに上昇に転じた。JR小樽駅に近い利便性の高いエリアでホテル需要が高まっている。
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