新潟県内基準地価、下落率8年連続縮小 新潟市で回復

2019/9/19 16:50
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新潟県が19日発表した2019年度の基準地価(7月1日時点)は住宅地が前年度比0.9%、商業地が同0.8%下落した。全用途でみると下落は24年連続だが、下落率は8年連続で縮小した。価格が上昇した地点は85地点と前年から14地点増え、うち新潟市が77地点を占めた。県全体で下落幅は縮小し回復傾向にあるが、過疎地域は低迷が続いている。

県内の全用途平均下落率は0.8%(前年は1.1%)。県内住宅地の上昇地点は前年の45地点から52地点に増えた。新潟市内の50地点に加え、長岡市古正寺町と燕市水道町が上昇に転じた。新潟市全体の上昇率は0.6%(前年は0.4%)で、2年連続で上昇した。その他の市町村でも下落幅が前年より拡大した市町村はなかった。

新潟市内は分譲地の増加や利便性、居住環境の良さで上昇傾向が続いている。市中心部へのアクセスがいい北区や江南区などは、割安感があり需要が回復している。住宅地で最も上昇率が高かったのは、昨年と変わらず新潟市中央区水道町(5.9%)。1平方メートルあたりの地価も16万2000円と県内最高だった。

県内商業地の上昇地点は、前年の20地点から22地点に増えた。新潟市内の21地点に加え、新たに三条市須頃が上昇に転じた。燕三条駅周辺で企業の出店意欲が高まり、高値で取引されている。三条市全体でも、26年ぶりに地価が上昇した。

人口減少や高齢化が進む地域や、商店街の衰退が進む地域などでは引き続き商業地の地価が下落傾向にあるが、下落幅は全体に縮小傾向にある。スキーリゾートで知られる湯沢町(同0.8%の下落)や妙高市(同3.2%の下落)は、訪日外国人の増加が下落率の縮小に影響している。

商業地の変動率が最も高かったのは、新潟市中央区弁天で、5.2%の上昇(前年は同5.0%)。商業地で最も地価が高い地点は昨年と変わらず新潟市中央区東大通の54万8000円だった。

再開発が進む新潟駅前の基準地価は上昇傾向だ(新潟市中央区東大通)

再開発が進む新潟駅前の基準地価は上昇傾向だ(新潟市中央区東大通)

全国の調査結果を見ると、全用途で0.4%の上昇だった。上昇は2年連続。東京、大阪、名古屋の大都市圏を除いた地方圏は、0.3%の下落だった。地方圏では住宅地で下落幅が縮小し、商業地は28年ぶりに上昇した。「新潟も全国と同じ回復傾向で推移している」(県土木部)という。

一方、地価上昇は新潟市内や三条市の駅前など利便性の高い場所に集中している。人口減少が進む他地域では下落幅が縮小しているものの、土地の需要低迷は続きそうだ。消費増税に伴う駆け込み需要は想定より動きがやや弱く、影響はあまりないという。

■工業地、22年ぶり上昇

新潟県内の基準地価で、工業地は0.4%の上昇だった。昨年度の0.8%の下落から、22年ぶりに上昇に転じた。東港に近い聖籠町の地価が大幅に上昇し、全体を押し上げた。

聖籠町の工業地の上昇率は昨年度の1.4%から6.0%となった。東港を含む新潟港の取扱貨物量は2011年をピークに減少していたが、16年から再び増加に転じている。太平洋側の港湾物流が混雑するなか、待ち時間の少なさや手厚い補助金制度に注目が集まっており、県も新潟港への港湾貨物の誘致に力を入れている。

県土木部は「物流拠点としての引き合いが強く、高値で取引されているようだ」と分析する。今後も聖籠町の上昇傾向は続きそうだ。

聖籠町に続き上昇が目立ったのは、新潟市東区だ。調査の3地点すべてが上昇した。なかでも、卸団地のある東区卸新町の上昇率は3.7%で、地価は県内の工業地で最も高い1平方メートルあたり4万2000円(前年は4万500円)だった。「新潟市中央区などの消費地に近く、工業用地としての需要が増えている」(同)という。

今回上昇した地点は23地点中、9地点。一方、上越市や妙高市など下落が続く地域は10地点だった。各地点で下落幅は縮小しているものの、回復の動きは鈍い。聖籠町や新潟市東区が大きく伸びる一方で、県全体でみれば二極化傾向が続いている。

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