米大統領補佐官に国務省高官 ポンペオ氏の影響拡大も
オブライエン氏、「歯止め」の手腕未知数

2019/9/19 15:02
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【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領が18日、外交・安全保障政策の司令塔となる大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に国務省のロバート・オブライエン大統領特使(人質問題担当)の起用を決めた。トランプ氏が解任したボルトン氏の後を継ぎ、イランや北朝鮮の問題など懸案の打開に重責を担う。人選にはポンペオ国務長官の強い働きかけがあったとされ、ポンペオ氏の政権内での存在感がさらに高まる可能性もある。

大統領補佐官への起用が決まったオブライエン氏(右)は、トランプ米大統領と政策姿勢が近いとされる=AP

オブライエン氏は協調型ともいわれ、直感に基づくトランプ氏の危うい政策決定の歯止め役となれるかは未知数だ。

今回の人事には主に3つの理由がある。1つはオブライエン氏の政策スタンスだ。2016年に同氏が出版した著書では、オバマ前大統領が進めたイラン核合意を「超党派の支持もなく、有害な外交政策をとるのは前代未聞だ」と強く批判している。これはトランプ氏の立場とも一致する。

中国への警戒感も強く、「彼らは米国や西洋は衰退し、21世紀は中国の世紀だと確信している」と指摘していた。軍事費の削減を進めた前政権を非難し、「米国やアジア諸国は軍事力の維持が暴発を抑止する最善の策だと認識すべきだ」として「力による平和」を希求すべきだと主張した。同氏は12年の大統領選では共和党候補だったミット・ロムニー氏の外交政策顧問を務めた。

次に協調型とされる性格だ。安保担当の大統領補佐官は国務省や国防総省など複数の省庁の政策調整を担う。周囲との摩擦をいとわず、独断専行型のボルトン前大統領補佐官はポンペオ国務長官らとの対立が絶えなかった。トランプ氏ともイラン政策などで意見の相違が目立った。オブライエン氏はチームワークを重視するタイプとされる。

トランプ氏が政権の実績として有権者に誇示してきた拘束米国人の解放の一翼を担ってきた点も大きい。「人質の解放交渉で素晴らしい仕事をしてきた」。同氏は18日、オブライエン氏をこう称賛した。

米紙ワシントン・ポストによると、トランプ政権下では約20人の米国人が解放された。18年5月に特使に就いたオブライエン氏はこのうち、トルコやイエメンなどでの米国人の解放に関わったとみられる。

今回の人事は外交・安保政策を巡る政権内のパワーバランスにも変化を及ぼしそうだ。米メディアによると、今回の人選はポンペオ氏の強い働きかけがあったという。同氏はトランプ氏側近として政権内での存在感が増しており、今回の人事でさらに発言力が強まるとの観測がある。

ボルトン氏はトランプ氏が前向きな北朝鮮やイランとの対話に批判的だった。そうした姿勢は政権内の亀裂をもたらした半面、トランプ氏が成果を急ぐあまりに米国や同盟国の利益を損ないかねない「悪い合意(ディール)」を防いできたという面も指摘される。オブライエン氏をトランプ氏の「イエスマン」とみる向きもあり、大統領選を控えたトランプ外交に及ぼす影響は大きい。

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