静岡の基準地価 11年連続下落 住宅地1.0%、商業地0.1%

2019/9/19 16:50
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静岡県が19日発表した2019年の県内基準地価(7月1日時点)によると、住宅地は前年比1.0%、商業地は0.1%それぞれ下落した。いずれも11年連続の下落だが、下げ幅は縮小した。浜松市や熱海市の商業地が多様化する需要をとらえて上昇した。一方、高齢化や過疎化の進む伊豆半島や沿岸部では下落幅が拡大した。

住宅やマンションとしての需要が高まる浜松駅前では高層ビルの建設が進む

住宅地の平均価格は1平方メートル当たり6万5300円で、62地点が上昇した。商業地は同14万2800円で、上昇は44地点だった。住宅地の上昇地点は前年より9地点増えたが、商業地は2地点減った。バブル期の1987年を100とした指数でみると、住宅地は80.4、商業地は47.9の水準だった。

全用途の平均変動率は前年比0.7%下落で、前年から0.2ポイント縮小した。首都圏への通勤圏となっている三島駅周辺の市町が上位を占め、中学生までの医療費無料化など子育て政策に力を入れる長泉町(0.6%)が5年連続で上昇率トップとなった。このほか、三島市(0.3%)、浜松市(0.2%)、御殿場市(同)が上昇した。

上昇率が前年5位の浜松市は今年3位だった。浜松駅前で近年、タワーマンションの建設が進んでおり、不動産鑑定士の鈴木隆史氏は「これまでオフィスや店舗、駐車場といったニーズの多かった浜松市の中心部で、住宅、マンションとしての需要も発生し、需要が多様化した」と話す。

半面、下落した31市町ので最も下落率が大きかったのは松崎町の3.5%で、次いで西伊豆町(3.0%)、伊豆市(2.7%)となった。前年は3%以上の下落を記録した自治体はなかった。県東部の沿岸地域に加え、牧之原市(2.6%)や焼津市(2.5%)など中部でも下落は続く。背景には高齢化の進行がある。

基準地価は土地取引の目安となる指標で、不動産鑑定士の評価を基に各都道府県が毎年まとめている。今回の調査地点は住宅地411、商業地149、工業地25、林地25の計610地点。

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商業地の平均変動率がプラスだったのは1位の熱海市(2.9%)、2位の浜松市(1.5%)など8市町。

上昇率トップ地点は浜松市中区中央2の10の22の7.4%で、1平方メートルあたりの価格は2万円上がって29万円だった。浜松市は大企業の立地が多く雇用が安定しており、購買層が多いことが商業圏としての強みになっている。

ただ、浜松市の調査を担当した不動産鑑定士の松島芳知氏は「相続税対策や資産保有目的で購入する需要が強く、(賃料収入を得るためなど)事業目的の需要は限定的」と話す。

また、輸出関連企業が多く、今回の結果は個人の一時的な収入増や企業の内部留保が不動産に向かったことが強く影響しているとの見方もある。

上昇率2位は熱海市田原本町4の19で、5.7%だった。仲見世商店街や平和通り商店街などの繁華街に近く、「熱海プリン」「いちごボンボンベリー熱海ハウス」など若者の注目が集まる店が多く立ち並ぶエリアだ。

鈴木氏は「熱海は泊まりに来るための場所だったが、スイーツや日帰り入浴施設によって、幅広い年齢層の日帰り客を取り込めるようになった」と分析する。

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