FRBの追加利下げ、米市場関係者の見方

2019/9/19 6:29
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米連邦準備理事会(FRB)は18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.25%引き下げ、7月に続く追加利下げに踏み切った。株式、外為、債券の米市場関係者に、追加利下げの評価や今後の展望を聞いた。

■株式 議長発言は支え

チャド・モーガンランダー氏(ワシントン・クロッシング・アドバイザーズのポートフォリオ・マネジャー)

米連邦公開市場委員会(FOMC)で2019~20年の利下げ停止が示唆され、結果発表後は株式相場は大幅安となった。だが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見を受け持ち直した。議長は世界景気の不確実性を強調し、利下げ継続の可能性を排除しなかった。FRBはハト派姿勢を維持したとみている。

パウエル議長は短期金利の上昇圧力の高まりに懸念を示し、FRBの保有資産の拡大を検討する可能性を示した。実施すれば量的金融緩和(QE)と似た緩和効果が見込める。金利上昇が抑えられて景気を支えるとみられ、株式相場にとっても長期的にプラスに働くと期待する。

ただ、相場は過去最高値圏にあり、目先は上昇の勢いがやや鈍りそうだ。10月から本格化する米主要企業の7~9月期決算発表は、米中摩擦や世界経済への不透明感から業績見通しが市場予想に届かない可能性がある。FRBの緩和策の持続への期待は相場を支えるが、大幅な上昇は見込みにくい。

■外為 ドル売り・円買い勧める

バイパン・ライ氏(CIBCキャピタル・マーケッツの北米為替戦略のヘッド)

18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果発表後、円は対ドルでやや下落した。米連邦準備理事会(FRB)の姿勢が、市場の期待よりもやや「タカ派」と受け止められたからだ。市場は少なくとも年内にさらに0.25%の利下げが示唆されるとみていたが、FOMCメンバーらによる予想では19~20年の利下げ停止が示された。

ただ、私は米中貿易摩擦に加え、足元では強い米個人消費が減速する可能性があるとみている。パウエル議長は会見で「必要があれば適切に行動する」と繰り返し強調し、利下げへの道を閉ざしたわけではない。米経済の減速がデータで示され、予防的な利下げに動くことになればドルの上値を抑えるだろう。

米経済が減速することで、中長期的にはドルは下落余地があるとみている。顧客にはドル売り・円買いの戦略を勧めている。1ドル=109円台に近づけばいいドル売りの機会になるだろう。

債券 利下げ終了を意識

ブライアン・デンジャーフィールド氏(ナットウエスト・マーケッツのマクロストラテジスト)

米連邦準備理事会(FRB)は18日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決めたが、委員らの政策金利見通しでは19~20年の追加利下げを見込まず、21~22年には小幅の利上げを予想していることが示された。市場の想定よりもやや「タカ派」寄りだったと受け止められ、債券相場は伸び悩んだ。

パウエルFRB議長はFOMC後の会見で米中貿易問題や景気動向などに応じて、必要があれば利下げに踏み切る姿勢を改めて示した。ただ、米中が貿易協議で歩み寄りつつあるうえ、英の「合意なき離脱」のリスクが低下したとの見方も強まる中、FRBが今回で「予防的な利下げ」を終了する可能性が意識された。

短期金融市場で資金需給が逼迫し、短期金利が上昇していることについて(FRBへの超過準備預金の付利引き下げ以外に)目立った対応策を打ち出さなかったことが債券売りを誘った面もあった。市場では民間金融機関への資金供給を増やすため、FRBが保有資産の拡大を検討するとの思惑があり、FOMC前に米国債が買われていた。パウエル議長は保有資産の自然な拡大を容認する可能性を示唆したが、資産買い入れなどの実施時期には言及しなかった。

(NQNニューヨーク=古江敦子、岩本貴子、横内理恵)

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