ソニー社長「事業多様性は強み」 複合経営批判に反論

2019/9/18 22:36
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ソニーの吉田憲一郎社長は18日、都内で開いた研究開発イベントで「技術は多様な事業を貫き、力を与えるものだ」と語った。電機や音楽、映画など多様な事業群と独自技術を組み合わせて成長を目指す戦略をアピールした。17日には米投資ファンドが求める半導体事業の分離要求を拒否。複合企業は経営効率が悪いとする「コングロマリット(複合経営)ディスカウント」批判に対し、複合経営は強みになると反論する形となった。

技術展示会を開催し、記者会見するソニーの吉田社長(18日、東京都品川区)

イベントは中長期で実用化を目指す研究開発領域の技術を紹介する「テクノロジーデイ」で、同社初の開催。「空間と時間の価値創造に取り組む」(吉田社長)とし、センサーやカメラ、人工知能(AI)などこれまで培ってきた技術を活用。実際の人物をCG空間に遅滞なく合成したり、体の動きを把握する「モーションキャプチャー」を簡単に制作できたりする技術を展示し、エレクトロニクスで培った技術で映画やゲームなど他事業の技術革新を後押しする内容が目立った。

サード・ポイントとソニーが対峙するのは今回が2度目。前回はサード・ポイントがエンタメ事業の分離を要求したが、ソニーは情報開示の拡充などにとどめた。今回狙われたのが、世界シェアトップの画像センサーを中心とする半導体事業の分離・上場だった。

ソニーは17日、半導体事業は「今後もソニーが保有し続ける」との書簡を公開し提案を拒否した。吉田社長は日経新聞の取材で「ソニーのDNAは技術で半導体はその核になる」と保有の意義を説明。他事業との相乗効果が乏しいとの指摘に対しては「長期的には用途が広がり、事業の多様性は強みとなる」と反論した。

日立製作所など業績不振に陥った日本の電機大手の多くが複合経営と決別し、得意分野への集中投資に乗り出している。一方、ソニーは17年までにパソコン、電池事業を売却しており、「すでに事業整理に一定のめどをつけた」(証券アナリスト)との見方もある。

今回展示された技術はカメラなど既存事業とは切り離された「R&Dセンター」が手がけるものが中心。「3~10年後を見据えた技術開発」(勝本徹専務)で事業化には時間がかかる。収益化への道筋を示すという課題は依然として残っている。

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