アイシン、次世代電動車向け駆動装置を公開

アイシン精機グループは18日、次世代電動車向けに開発中の駆動装置を報道関係者に公開した。高出力モーターを組み込んだ同装置を搭載した試乗車を、北海道豊頃町の試験場で披露した。同グループは電動化や自動運転など「CASE」への対応を急いでおり、駆動装置のうち電動車向けの比率を2019年の6%から23年に20%まで引き上げる。
同日公開したトラックやバスなど電気自動車(EV)の商用車への搭載を想定した駆動装置は、モーターの最大出力が150キロワットある。EV駆動装置としては珍しい低速ギアと高速ギアの2段階変速が特徴だ。時速90キロメートル程度になると滑らかに高速ギアへと変わり、加速とEVらしいスムーズな走りを両立した。
最大出力100キロワットの駆動装置は、ハイブリッド(HV)の試乗車を用意した。ガソリンエンジンと組み合わせることで力強い急加速を実現した。同日の試乗会に出席した伊勢清貴社長は、「まずは四輪駆動のHV車向けに伸びるのではないか」と述べた。
電動車向け駆動装置はモーターとギア、インバーターの組み合わせで「eAxle(イーアクスル)」の名称で販売する。ギアとモーターはアイシングループが生産、インバーターはデンソーが供給する。デンソーと設立した新会社、ブルーイーネクサス(愛知県安城市)で開発・販売する。