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海のごみ 河川で発生源探る

海面ぎりぎりで直径約50センチの円筒部分がポンプの動きに合わせて上下し水とごみを吸い込む(神奈川県藤沢市)

海面に浮かぶごみが海水と共に次々と回収装置に吸い込まれていく。セーリングのワールドカップ会場の湘南港(神奈川県藤沢市)を訪れた海外選手たちが、物珍しそうに見つめる穴の中にはペットボトルなどのごみが詰まっていた。2020年東京五輪会場にもなる同港の環境整備のために県が設置したオーストラリア製の回収装置だ。

引き上げられた海洋ごみ回収装置「Seabin(シービン)」。港内に滞留したごみを10日間で約12キロ回収した(神奈川県藤沢市)

6月の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)で各国は2050年までに海洋プラスチックごみ(海洋プラごみ)の新たな流出をゼロにする目標で合意した。

研究機関で分析作業を行うため、一粒ずつ小分けの箱に入れる(東京都渋谷区)

しかし、海のごみの7~8割が河川から流出していると考えられている。関心の高さから各地で清掃活動も続いているが、実態はつかめていないため、発生源を探ろうと河川ごみの調査が各地で進んでいる。

プラスチック片をピンセットで1センチ四方のマス目上に置いて仕分けする
ピリカが開発した小型スクリューを取り付けた機器で水を吸い込んで微細なプラごみを回収する(東京都墨田区)

3人がかりで持ち上げられた機器が隅田川に下ろされると、先端についたスクリューが音を立てて回り始めた。水中で細かく分解されたプラごみの量や素材を調べようと環境技術ベンチャーのピリカ(東京・渋谷)は国内約60地点の河川を調査している。自社開発した機器で一定量の水を吸い込み、網目0.3ミリ以下のプランクトンネットで微細なごみを回収する。プラスチック片を手作業で仕分けし、大学などの研究室へ成分分析を依頼する。

元画像(左)を解析し、人工系は赤色、自然系は青色、水面は白色に表示して川ごみ全体の種類を調べる(千葉県野田市の東京理科大学)
画像解析のために水路に設置されたカメラ。1年以上をかけて調査をする(三重県四日市市)

映像で川ごみの分析を行うのは東京理科大学の二瓶泰雄教授と片岡智哉助教らの研究グループ。水質調査中に流れてくる大量のごみで作業がはかどらず少しでも減らしたいと思い調べ始めた。三重県などの河川や水路に設置したカメラで撮影した水面の映像を解析し、プラスチックなどの人工系と草木などの自然系を一定以上の水準で判別できる。流出量や種類を調べ、地域に周知することで最終的に削減にまでつなげる狙い。

川の清掃活動でプラごみを拾う児童(8月、東京都足立区)=樋口慧撮影

G20での目標達成に向け、政府は今後東南アジアなどの河川で海洋プラごみの発生源の調査に乗り出す方針だ。

写真・文 小高顕

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