アマゾン、商品の受取場所多彩に 宅配ロッカーやカフェ

2019/9/18 20:00
保存
共有
印刷
その他

宅配ロッカーでは、スマホに送られてきたバーコードを読み取ると荷物を受け取れる

宅配ロッカーでは、スマホに送られてきたバーコードを読み取ると荷物を受け取れる

アマゾンジャパン(東京・目黒)が通販の商品の受取場所を増やす。18日、宅配ロッカーをコンビニや駅に整備すると発表した。中小の飲食店の店舗のレジを受取窓口として活用する施策も進める。ネット通販の拡大に伴い、度重なる再配達で物流現場の負担は増している。まず年内に宅配ロッカーなどを東京都や神奈川県を中心に200カ所以上に設け、競争力の維持につなげる。

「お客様のライフスタイルが多様化するなか、荷物を受け取る場所やタイミングの選択肢を増やす」。アマゾンジャパンのジェフ・ハヤシダ社長は同日開いた記者会見で、ロッカーや受取窓口の狙いを説明した。

宅配ロッカー「アマゾンHubロッカー」は注文した商品が届くと、消費者のスマートフォンにメールが届く。添付されているバーコードを読み取り機にかざすと、荷物の入ったロッカーが開く仕組みだ。

宅配ロッカーはファミリーマートが年内に首都圏の店舗50店に設置する。私鉄大手の小田急電鉄は下北沢駅や成城学園前駅など主要10駅に設ける。このほか、神奈川県地盤のスーパーの富士シティオ(横浜市)、昭和女子大学、東京海上日動火災保険がロッカーの整備に協力する。

中小店舗などで商品を受け取る「アマゾンHubカウンター」と呼ぶサービスも始める。レストランやカフェなど契約店舗で宅配便を預けられるサービスを展開するスタートアップのecbo(東京・渋谷)などと組み、受取窓口を増やす。

ロッカーと受取窓口は東京都と神奈川県内を中心に年内に200カ所以上に設ける方針で、2020年以降に全国に設置場所を広げる。

ロッカーや受取窓口の設置は協力企業にとってもメリットが大きい。会見に出席したファミリーマートの沢田貴司社長は「店舗で受け渡しする荷物の数の8割程度がアマゾン関連だ」と明かし、アマゾンの荷物の取り扱いが新たな顧客を呼び込むきっかけとなる。富士シティオの菊池淳司会長は「主力のスーパーの顧客は40~50歳代が中心となっている」と話し、アマゾンを利用する若年層の来店を期待する。

アマゾンがロッカーや受取窓口の整備を急ぐのは「物流現場の再配達の負担軽減が課題となっている」(ハヤシダ社長)ためだ。国土交通省によると、ヤマト運輸など宅配大手3社の宅配便に占める再配達の割合は、19年4月で16.0%と前年同月から1ポイント上昇した。

アマゾンは2月から宅配便を受取人が指定した場所に置く「置き配」を開始。岐阜県多治見市では10月から、置き配を標準の配送方法とする実証実験を始める。

再配達の負担を軽減しようとする取り組みは、宅配各社でも進んでいる。ヤマト運輸は関連会社を通じ、16年から宅配便の受け取り専用のロッカーの設置を始めた。全国の駅など約4000カ所に広げ、一部は佐川急便や日本郵便も共同利用する。

ただ、自宅以外での受け取りは思うように広がっていない。最大手のヤマト運輸の19年度の宅配便の取扱数は約18億個だが、ロッカーやコンビニで受け取った割合は全体の6.6%にとどまる。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]