石綿被害、がん診断日から 遅延金算定で2地裁判決

2019/9/18 10:01
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工場に勤務してアスベスト(石綿)を吸い肺がんを発症した元従業員らが国に損害賠償を求めた訴訟2件の判決が18日までに、神戸、広島両地裁で言い渡された。いずれも石綿被害の遅延損害金の起算をがん診断日か労災認定の日にするかが争点で、両地裁とも原告側の主張通りがん診断日から起算するとの判断を示した。

同種訴訟では福岡地裁小倉支部判決が3月、がん診断日から起算すると初判断。弁護団によると、今回が2、3件目の判決。

神戸訴訟の原告は鳥取県日野町の遠藤利美さん(80)と兵庫県川西市の80代男性で、神戸地裁は請求通り計約2300万円の賠償を命令。広島訴訟の原告は広島市内に住む元男性従業員(84)で、広島地裁は請求通り1265万円の支払いを命じた。国側はいずれも労災認定の日から起算すべきだと主張したが、両地裁は「損害の発生日は、がん診断や手術を受けた日とするのが相当」などと判断した。判決はいずれも17日付。

両地裁判決によると、原告3人は1950年代以降、兵庫県尼崎市のクボタ旧神崎工場や大阪市西成区などの工場で勤務。2012年以降、肺がんと診断され、労災認定を受けた。

遅延損害金は賠償金の利息(年5%)に当たり、損害発生をどの時点にするかで金額が変わる。弁護団によると、遠藤さんと広島の男性は、損害発生が労災認定日の場合と比べ約100万~200万円の増額になる。

〔共同〕

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