イスラエル総選挙、与野党が接戦 首相続投は連立次第

中東・アフリカ
2019/9/18 4:36 (2019/9/18 11:31更新)
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17日のイスラエル総選挙で、ネタニヤフ首相の与党リクードと、ガンツ元軍参謀総長らが率いる中道野党連合「青と白」が接戦となった=ロイター

17日のイスラエル総選挙で、ネタニヤフ首相の与党リクードと、ガンツ元軍参謀総長らが率いる中道野党連合「青と白」が接戦となった=ロイター

【テルアビブ=飛田雅則】イスラエルで17日に投票された一院制の国会(定数120)の総選挙は即日開票され、ベンヤミン・ネタニヤフ首相(69)が党首の与党、右派リクードと、ベニー・ガンツ元軍参謀総長(60)らが率いる中道野党連合「青と白」が第1党の座を巡り、接戦を演じた。

総選挙は比例代表制で実施された。最大の焦点は汚職疑惑を抱えるネタニヤフ氏が首相を続投できるかどうかだ。単独過半数の勢力はなく、新政権の枠組みは議席確定後の連立協議で決まる見通しだ。仮にイランと敵対するイスラエルで政権交代があれば後ろ盾の米国の中東政策を左右し、この地域の安定に大きな影響を与えるのは確実だ。

18日未明(日本時間同日午前)の段階で、イスラエルの有力民放「チャンネル12」は出口調査をもとにリクードと「青と白」がいずれも32議席を得て第1党になる見通しだと報じた。ネタニヤフ氏を支持する右派やユダヤ教系の4党は計55~56議席程度で過半数(61議席)に届きそうにない。

選挙管理当局は1週間後をメドに最終結果を発表する。リブリン大統領が確定した議席をみて、多数派を形成できそうな勢力の代表に組閣を要請する。連立協議がまとまれば、11月にも新政権が発足する段取りだ。

18日未明、支持者の前で演説したネタニヤフ氏は「いまの連立相手の政党(の代表)はみな、強い政府を樹立したいと話していた」と述べ、首相続投へ自信を見せた。

一方、ガンツ氏も支持者に向け「すべての政党と話をして大きな連立を形成する」と語り、政権交代に意欲を示した。

リクードと「青と白」は4月の前回総選挙で共に35議席で第1党を分け合った。リブリン氏がネタニヤフ氏に組閣を命じたが、同氏は連立協議に失敗した。国会は解散され、イスラエルで初めて総選挙がやり直された。

米国はイスラエルの総選挙後、新たな中東和平案を公表する方針だ。トランプ米政権はネタニヤフ政権と共に同案を練っていたので、政権交代の場合は、修正を迫られる可能性がある。ガンツ氏は駐在武官として在米イスラエル大使館に勤務した経験があるが、トランプ政権にどれだけの人脈があるか不透明だ。

選挙戦では通算の首相在任期間が13年半で同国最長となったネタニヤフ氏が、トランプ米政権とのパイプの太さやイランへの強硬姿勢などを強調した。首相続投が決まれば、隣接するパレスチナ自治区の土地の一部を併合すると表明し、保守層の支持獲得に努めた。一方、ガンツ氏らはネタニヤフ氏の汚職疑惑を攻撃し、政権交代による内政や外交の刷新を訴えた。

リクードを軸とするネタニヤフ政権はシリアなど周辺国に点在するイランの拠点を空爆し、同国の脅威を有権者に主張してきた。「青と白」もイランに強硬姿勢だが、パレスチナとは対話の可能性を排除していない。

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