イスラエル総選挙 サウジ攻撃、与党に追い風も

2019/9/17 19:24
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【テルアビブ=飛田雅則】イランと敵対するイスラエルで17日、一院制の国会(定数120)解散に伴うやり直し総選挙の投票があった。焦点は汚職疑惑を抱えるベンヤミン・ネタニヤフ首相(69)が続投できるか否かだ。同氏の与党、右派「リクード」の支持率は伸び悩む。サウジアラビアで14日起きた石油施設への攻撃にはイランの関与が指摘される。有権者が同国の脅威を再認識すれば、右派陣営に追い風が吹く可能性はある。

17日、夫人と共に票を投じるイスラエルのネタニヤフ首相(右)(エルサレム)=ロイター

17日、夫人と共に票を投じるイスラエルのネタニヤフ首相(右)(エルサレム)=ロイター

リクードと、ベニー・ガンツ元軍参謀総長(60)が率いる中道野党連合「青と白」の二大勢力が軸の争い。事前の世論調査で、両者の獲得議席数の予想は拮抗する。

4月の前回総選挙でリクードと「青と白」はそれぞれ35議席を得て第1党に並んだ。リブリン大統領の要請を受けたリクードを中心とする右派・宗教の6党の連立協議はまとまらず、国会は解散され、イスラエルで初めての再選挙になった。

リクードはイランだけでなく、隣接するパレスチナ自治政府に対しても強硬姿勢を示す。ネタニヤフ氏は選挙戦で、首相続投が決まれば、パレスチナの土地の一部を併合すると言明した。イランにも強硬姿勢で、一時盛り上がった同国と米国の対話機運には否定的な見解を示していた。「青と白」は対外でやや対話を重んじる姿勢をみせるが、リクードと大差ない。

トランプ米政権はネタニヤフ氏の続投を期待する。総選挙の後で公表する予定の新中東和平案はネタニヤフ政権と共に練り上げてきたからだ。首相交代や政権の枠組みの変化が起きると同案の修正を迫られかねない。

トランプ氏は14日、ネタニヤフ氏と相互防衛条約の締結について電話協議し「イスラエルの選挙後の議論継続を楽しみにしている」とツイッターに投稿した。イランやパレスチナを念頭にイスラエルの安保強化を訴えるネタニヤフ氏を側面支援する狙いだ。ネタニヤフ氏も、トランプ政権との密接な関係を強調する。

総選挙の結果の大勢は18日未明(日本時間同午前)にも判明する。だが、選挙管理当局が確定結果を公表するのは1週間ほど後になりそうだ。単独で過半数を獲得する政党はない見通しで、国会で多数派を形成できそうな政党の党首がリブリン氏の指名で連立協議に着手する。実際に新政権が成立するのは11月以降になるとみられている。

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