トヨタ新型カローラ発売、新旧車種併売で販売店を支援

2019/9/17 20:18
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トヨタ自動車は17日、全面刷新した新型の「カローラ」、「カローラツーリング」を発売した。1966年の発売以来「大衆車」として親しまれてきたが、カローラとして初めて新型車と現行モデル車を併売する。カローラは法人利用が多く、低価格の現行モデル車の人気が根強いと判断した。国内の新車販売が頭打ちとなる中、底堅い法人需要を取り込んで販売店を支援する。

新型カローラは30~40代の若年層の取り込みを狙う(17日、東京・江東)

新型カローラは30~40代の若年層の取り込みを狙う(17日、東京・江東)

「新型カローラ商談予約受け付け中!!」。トヨタモビリティ東京深川南店(東京・江東)は店舗で、新型カローラをアピールする。国内全体で7月末の予約開始以来、16日までにカローラとカローラツーリングを合わせて計約1万台の受注があった。トヨタの国内販売事業本部の長田准副本部長は「販売店からは『30~40代の顧客が増えた』という声もあり、手応えを感じる」と話す。

今回の全面刷新と同時に、2018年に売り出した新型ハッチバック「カローラスポーツ」も一部改良して、売り出した。生産や設計などの新手法「TNGA」を採用して低重心に設計し、車体の剛性は従来に比べ7割向上した。

1カ月当たりの販売目標としてカローラは1700台、ツーリングは5400台、スポーツで2300台を掲げる。

これまでトヨタが同一車種の新旧モデルを併売するのは09年に発売したハイブリッド車(HV)「プリウス」だけだった。新型車種のみを生産・販売する方が効率的なためだ。プリウスの場合、新型が浸透するまで2年程度は新旧を併売し、旧型を法人向けに絞って販売していたという。

カローラの場合も法人利用が多く、セダンやワゴンそれぞれで法人需要は4~5割を占める。現行カローラは法人向けの低価格モデルと位置づけ、車内装備を一部簡略化して販売価格を抑える。「リースなどの法人利用を想定している」という。

国内では、企業は社用車の保有を減少させる一方で、リースへの置き換えを進めている。民間調査会社の矢野経済研究所は、自動車リース市場(リース車両保有台数)は19年度末時点で386万台とみるが、これが24年度末には25%増の482万台に伸びると予測する。ただトヨタは、法人向けリースではオリックスなどに先行されているといわれ、新旧車種の併売で追い上げを狙う。

新型カローラで顧客層の若返りも図る。従来のセダン「カローラアクシオ」の顧客層は6割を60代以上が占め、「カローラフィールダー」では5割を50代以上が占める。刷新した新型カローラは価格を従来車と同等レベルの190万円台からに抑えた。国内向けトヨタ車として初めてディスプレーオーディオを全車に標準装備し、スマートフォン接続するとカーナビゲーション機能や音楽アプリなどを利用できる。

 新型カローラの開発を担当した上田泰史チーフエンジニアに狙いを聞いた。

 ――新型カローラはどの年齢層を狙うのですか。
12代目カローラの開発を担当した上田泰史チーフエンジニア(17日、江東区)

12代目カローラの開発を担当した上田泰史チーフエンジニア(17日、江東区)


 「従来のカローラの購入層は年齢でいうと60~70代が中心だった。今のユーザー層を大事にしたうえで、30~40代の方々などより広いお客様に楽しんで乗っていただけるブランドにしようと心がけた」
 ――セダン型の価格は約193万円からです。
 「若い人を意識したこともあり200万円を超えたらあかんやろ、という思いがあった。一つ一つの部品で仕入れ先や設計部門と進めた原価低減が反映された。まだ高いと思われるお客さんもいると思うが、地道な成果が出たと思う」
 ――若者受けはどこでできるのか。
 「まずは直感的にかっこいいよねというデザイン。またスマートフォンと連携して車内ディスプレーで地図アプリや音楽アプリを操作できる機能だ。車よりもスマホになれた方々が、スマホで聞いていた音楽がそのまま聞こえるというコンテンツが魅力になる」
 ――多目的スポーツ車(SUV)が人気ななか、セダン型を投入する理由は。
 「SUVやミニバンはどこにでもいける利便性がある。一方で自分一人で運転していたり、通勤に利用しているため、そこまで大きなスペースがいらないという方もいる。自分にちょうどよいサイズで、なおかつ重心が低く走りのよい車がほしいという需要に応えるため、セダンの選択肢を用意した」

(広沢まゆみ)

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