不思議なミユ 藤崎彩織

エッセー
2019/9/24 14:00
情報元
日本経済新聞 電子版
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私がミユに出会ったのは、小学校2年生の時だった。

音のない雨がコンクリートを濡(ぬ)らしていた午後、体操着の袋を蹴りながら帰り道を歩いていると、紫陽花の咲く路地の前で上級生の男子たちが集まって輪になっていた。

「うわ、きもちわりい!」

「おい、やめろよ、今ので手についたんだよ!」

男子たちはふざけて何かを押し付け合っていて、覗(のぞ)いてみるとそれはかたつむりだった。それも、5匹か6匹。殻から飛…

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