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OPEC、サウジ供給不安でも増産慎重 価格維持狙う

2019/9/17 3:37
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【テルアビブ=飛田雅則】ドローン攻撃を受けたサウジアラビアの石油施設が生産停止に追い込まれたものの、同国などが加盟する石油輸出国機構(OPEC)は増産に慎重な姿勢を示している。アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相は16日「(増産のため)緊急会合を開くのは時期尚早」と強調した。産油国では世界経済の減速による需要後退への懸念が根強く、いますぐ増産に動けば価格の下落を招きかねないと警戒している。

サウジ東部のアブカイクなど国営石油会社サウジアラムコが持つ石油施設が14日、突如のドローンによる攻撃で巨大な炎に包まれた。サウジは日量570万バレルと世界最大級の産油国である同国の産油量のおよそ半分の生産が停止したと発表した。

世界の5%以上に相当する原油生産が突如止まったことで、ロンドン市場に上場する北海ブレント原油先物は16日、1バレル71.95ドルと前週末比で一時20%近くも上昇した。その後も60ドル台後半の値動きが続いている。

だがサウジは16日、OPECやロシアなどと電話で協議し、追加生産は不要と伝えたと報じられている。「緊急事態に対応できる生産余力がある」(UAEのマズルーイ・エネルギー相)にもかかわらず、産油国が増産に慎重なのは、米国と中国との貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる混乱の長期化で需要後退への懸念が根強いためだ。

国際エネルギー機関(IEA)などの情報によると、19年は年間を通じて原油の需要と供給のバランスはほぼ均衡する見通しだ。しかし、世界経済の減速により、20年1~6月は日量140万バレルほどの供給過剰に陥るとの観測が出ている。

OPECやロシアなど非加盟国で構成する「OPECプラス」が9月12日にUAEの首都アブダビで開いた会合に出席したロシアのノワク・エネルギー相は「貿易戦争などによる世界経済の減速は憂慮すべきことだ」と語り、原油需要の減少に対して懸念を示した。

産油国は国の財政や経済を原油の輸出収入に大きく頼っている。サウジは財政均衡に必要な原油価格水準を1バレル80ドル台に設定しているとみられ、増産で価格を崩したくないのが本音だ。12月に予定されるOPEC関連の会合まで慎重に市場動向を分析する見通しだ。

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