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あれから6カ月 イチロー・ウイークエンドの舞台裏
スポーツライター 丹羽政善

(2/2ページ)
2019/9/16 5:30
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米記者の一人も、真顔で言った。

「オリンピックに出るんじゃないか?」

その記者は東京でも「オリンピックに出ないのか?」と聞いて、イチローに「NO」と否定されているが、どうしてもその可能性を排除できないようだった。

話がセレモニーから逸れたが、式次第などに引退という文字はなく、形としてはイチローが球団で3人目となる特別功労賞の表彰だった。

なぜこの時期なのか。なぜ引退セレモニーではないのか。

誰もが感じることだろうが、マリナーズとしてはもちろん、東京から戻ってきてすぐにでも引退セレモニーのようなイベントを盛大にやりたかった。しかし、東京で一区切りがついていることもあり、タイミングや形式を巡って、逡巡した。

首振り人形準備に4カ月半

一方、どうしてもこの時期になった、という側面もある。やると決めても、記念グッズの準備など、どうしても時間のかかるものがあるのだ。

球団広報によると、一番時間を要するのが、14日に先着2万人のファンに配られた首ふり人形だそう。元になる写真を選ぶところから計算すれば、通常、必要な数の納品まで5カ月はかかるそうだ。ということは、仮に4月に企画が固まったとしても、どうしてもこの時期となる。

もちろん、どうしても首ふり人形が必要というわけではないが、2001年のルーキーシーズンに配られたイチローの首ふり人形は、徹夜組が出るほど人気となっただけに、外すわけにはいかない、という思惑もあったよう。

2万人に配られたイチローの首振り人形

2万人に配られたイチローの首振り人形

結局、5月2日から「全体の企画が決まる前に、首ふり人形の制作準備に取り掛かった」とマリナーズのプロモーション担当者。

「仮に今回のように、『イチロー・スペシャルウイークエンド』という形のイベントが行われなかったとしても、プロモーションだけは予定していました」

それでも時間的にはギリギリだが、イチローの首ふり人形に関してはこれまで毎年のように制作しており、顔などのデータもある。その分、時間の短縮が可能で、「4カ月半で完成させることができた」そうだ。

さて、授賞式を終えて思うところは? イチローはイベント後にそう問われ、「何が欠けても、今日はない。なんだってそうじゃないですか。東京ドームの最後も何が欠けてもあれは起きなかったというふうに考えると、やっぱり自分なりに頑張ってきてよかったな、ということですよね」としみじみと振り返り、こう言葉をつないでいる。

「5年半のニューヨークとマイアミの時間も含めて今日なんだ、と思うんですよね。だからこれをやっておけばよかったということは、僕にはないので、会見でもいいましたけど、そうしてきてよかったなと思います」

一片の悔いなし――。

なお、授賞式には野球殿堂博物館の元館長ジェフ・アルダーソンも姿を見せた。

次に大きな節目を迎えるとしたら2025年か。イチローは有資格1年目で野球殿堂に選ばれることが確実視されている。

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