米、北朝鮮のハッカー集団に制裁 資金取得防ぐ

北朝鮮
2019/9/14 1:07
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【ワシントン=中村亮】米財務省は13日、北朝鮮による各国の政府機関やインフラ、金融機関などに対するサイバー攻撃に関与したとして、3つのハッカー集団を経済制裁の対象に指定したと発表した。一般市民の生活に関わる重要インフラへの攻撃に対抗するとともに、サイバー攻撃による不正な資金取得を防ぐ狙いがある。

トランプ米大統領は北朝鮮に対する経済制裁の緩和に応じておらず、米政権はサイバー攻撃に厳しい姿勢を示した(11日、ワシントン)=AP

北朝鮮は9月下旬にも米国との非核化協議に応じる考えを示しているが、米国は今回の追加制裁によって圧力を緩めない姿勢を示した形だ。

財務省はハッカー集団「ラザルス・グループ」に加え、関連組織「ブルーノロフ」と「アンダリエル」を制裁対象に指定した。いずれも北朝鮮の情報機関の支配下にあるという。マンデルカー財務次官は声明で「不正な武器やミサイル開発計画を支援する目的でサイバー攻撃を仕掛ける組織に対抗措置をとった」と表明した。

ラザルスに関し、米政府は2017年に世界規模で起きたサイバー攻撃の実行主体だと断定している。パソコン内部のデータを勝手に暗号化し、データ復旧と引き換えに金銭を要求する手法で、英国の一部病院が機能停止に陥るなどの被害が出た。ラザルスは14年、北朝鮮指導者の暗殺を描いたコメディー映画を制作したソニーの米子会社にもサイバー攻撃を仕掛けたとされる。

ブルーノロフはサイバー攻撃で不正に資金を獲得する目的で設立されたとみられている。米財務省は米国や国連による制裁で北朝鮮の外貨調達が難しくなったことが設立の理由だと判断している。アンダリエルも銀行のカード情報を盗んで現金を引き出したり、情報を不正に売却したりしたとされている。

国連安全保障理事会の専門家パネルは9月上旬の報告書で、北朝鮮がサイバー攻撃で最大20億ドル(約2100億円)の資金を不正取得したと分析した。トランプ米大統領は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長との個人的関係を重視するが、経済制裁の緩和には応じていない。北朝鮮は今後もサイバー攻撃を継続する可能性が高い。

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