パナソニック、サイバー防衛の拠点増設 ネットにつながる家電

2019/9/13 20:28
保存
共有
印刷
その他

パナソニックはインターネットにつながる家電に対するサイバー攻撃を防ぐ取り組みを強化する。サイバー攻撃しやすい状態にした家電を使い対策を立てる手法を活用。現在日本と台湾に設けている対策拠点を、2年以内に米中欧など世界5カ所で新設する。まず自社製品に反映してセキュリティーを強め、他社に有料サービスとして提供する。

マルウエアの攻撃状況をリアルタイムで分析する(大阪府のパナソニックの事業所)

パナソニックが日本と台湾に設けている拠点ではネット接続機能のあるテレビや冷蔵庫、ウェブカメラ、開発中のデモ機などを設置。あえてセキュリティーを弱めマルウエア(悪意のあるソフトウエア)を誘い込む「ハニーポット」と呼ばれる手法でマルウエアを分析し、対策を立てる。

家電は約20台で1台につき毎日10万件の攻撃を受けるという。これまでに受けた攻撃は2億件に上る。この中から集めたマルウエアは約2万2千種類。このうち家電などあらゆるモノがネットにつながるIoT機器を狙い撃ちするマルウエアは約4700種類見つかった。

サイバー攻撃は国・地域で特性があるとされる。このため米国、欧州、中国などに拠点を新設し、最新の攻撃に対抗する。

メーカーは被害者からサイバー防衛の対策を怠ったとして責任を問われる可能性がある。パナソニックはネットにつながる家電に力を入れており、サイバー防衛を強める必要が増している。他社と連携したり、ノウハウを他社に有料サービスの形で提供したりする方針だ。家電に限らず、自動車部品や生産設備などネットにつながる幅広いIoT機器を対象にする。

政府は特別な法律をつくり、総務省などが一般のIoT機器に抜き打ちでアクセスして悪用される可能性がないか2月から調べ始めた。悪用の恐れがあるIoT機器を見つけ、インターネット接続事業者を通じて利用者に注意喚起する。ウイルス対策ソフトが普及したパソコンなどに比べ、IoT機器のセキュリティーは脆弱なままだ。

ただセキュリティーの強度を高めるとコストがかかり、製品価格に転嫁するケースも出てきそうだ。メーカーや消費者がコストを許容できるかが、IoT機器のサイバー防衛の普及を左右する。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]