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一発勝負の東京五輪マラソン選考会 15日に号砲

Tokyo2020
2019/9/13 20:13
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マラソンの東京五輪代表選考会「グランドチャンピオンシップ(MGC)」が15日、明治神宮外苑発着のコースで行われる。1、2位が代表に内定する一発勝負のMGC開催が決まった2017年以降、日本のマラソンは活気を取り戻した。従来の選考を抜本的に見直した新方式は何をもたらし、いかに現場の空気を変えたのか。

瀬古利彦氏(左)をトップに据えた日本陸連の抜本的な改革の下、大迫傑(右)らが台頭してきた(2017年12月)=共同

瀬古利彦氏(左)をトップに据えた日本陸連の抜本的な改革の下、大迫傑(右)らが台頭してきた(2017年12月)=共同

日本陸連がMGC構想を発表した17年4月、記者会見した長距離・マラソンディレクター、河野匡の言葉は熱を帯びた。「(五輪まで)残り3年という限られた時間でまず取り組むべきは選考のあり方だと考えた。日本の長距離界は『駅伝が主、マラソンが従』という現状になっている。五輪で戦うための強化になっていない」

五輪でのメダルは04年アテネ大会の野口みずきの金が最後。その後は入賞さえ12年ロンドン大会の中本健太郎(6位)しかいない。世界を席巻するアフリカ勢の速さに圧倒された日本のランナーたちは、マラソン挑戦の意欲を失いつつあった。

自国開催の五輪を前に、危機感を募らせた日本陸連はかつての名ランナー、瀬古利彦をトップに据えて抜本的な改革に乗り出す。「ポッと出の選手ではいけない」。瀬古は選考会の力を本番で出せない選手を嘆いた。16年12月に始まった議論で中心に据えられたのが選考レース改革だった。

最も重視したのは透明性の確保だ。有森裕子と1枠を争った松野明美が「私を選んで」と会見で訴えた1992年バルセロナ大会など、過去の選考は多くの議論を巻き起こしてきた。天候も展開も異なる複数のレースを比較して優劣をつける難しさがつきまとった。

「(注目の高い)自国開催で現場が混乱することだけは避けたかった」と女子五輪強化コーチの山下佐知子は語る。恨みっこなしの"直接対決"の舞台を持ちこみたかった。結果、一定の記録をクリアした者がMGC出場権を得る2段階方式を採用。1大会だけの勝負だと瀬古の言う「ポッと出」の選手が勝つこともあるが、複数レースでは安定感や調整能力がなければ勝ち抜けない。代表枠は男女とも3。最後の1枠は、これまでマラソン隆盛に貢献してきた既存大会の主催者(新聞社やテレビ局)に残す配慮も忘れなかった。

新方式の導入は選手の評判も上々だった。ある女子選手は「すっきりしていていい。ダメだったら諦めもつくし、MGCで力を発揮できなかったら五輪でも同じことになる」。男子ではMGC発表後、02年から破られていなかった日本記録が2度も更新され、走力の向上とともに選手層が厚くなった。

「いろんなタイプの選手がいる。誰が勝つかわからない」と瀬古は言う。五輪で戦える選手は誰か。3年がかりのプロジェクトは、ひとつの節目を迎える。(敬称略)

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