太陽光や風力発電 なぜ増えているの?(親子スクール)

2019/9/15 11:00
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友達の家に遊びに行ったら、屋根の上に黒っぽいパネルがあった。太陽の光を集めて電気をつくっていると聞いたよ。どうやって電気にするのかな。最近増えているらしいけど、今までの電気と何が違うんだろう。

博士より 自然の力を借りてつくった電気を「再生可能エネルギー」と呼ぶんだ。はっきりとした定義はないけど、いまの日本の法律では太陽光や風力、水力、地面の熱、潮(しお)の満ち引きなどを活用したものを再生可能エネルギーと定めている。太陽の光や風などはいたるところにあって、なくならずに使い続けられる。自然エネルギーとも呼ぶ。

日本では石油や石炭といった化石燃料から電気をつくる火力発電が多いけど、燃料がいつまでも続かないので、再生可能エネルギーには含まない。核燃料(かくねんりょう)を使う原子力発電も同じだよ。ただ、水力発電などで大規模な発電所を建てるときに自然をこわすような場合は再生可能エネルギーと呼ばない国もある。

火力発電は石油や石炭、天然ガスを燃やして水蒸気(すいじょうき)を出し、その力でタービンをまわして電気を生み出す。日本は化石燃料を中東やオーストラリアからの輸入に頼っている。だからもし輸入がストップしたら、電気がつくれなくなるリスクがある。

1970年代にオイルショックという騒動(そうどう)があり、原油の値段がはね上がった。そこから日本で太陽光発電のように自然の力を使い、電気をつくる方法への注目が高まったんだ。

再生可能エネルギーは、つくられるときに地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を出す量が、化石燃料に比べるととても少なくて、環境(かんきょう)にやさしいとされる。90年代に入ると世界的に環境問題への関心が高まったことで、再生可能エネルギーを積極的に取り入れようとする動きが強まった。

いつまでもなくならないとされる再生可能エネルギーだけど、たとえば太陽の寿命はあと50億(おく)年以上あると考えられているので、使い切ることはない。技術的にはむずかしいけど、太陽から地球に届く光をすべて電気に変えることができれば、1時間程度で地球上の1年分の電気をまかなえるとされる。

再生可能エネルギーにはいろいろな種類があるけど、日本でもっとも普及(ふきゅう)が進んでいるのは太陽光発電だ。住宅の屋根とかにパネルが設置してあるのをよく見るよね。その中には「電子」という電気をおびた小さな粒がたくさんある。太陽の光がパネルに当たると電子が動きだし、配線を通るものを電気として取り出す。家の照明や風呂(ふろ)をわかしたりするのに使うんだ。

欧州などでは風力発電の導入も進んでいる。山の中で大きな風車を見たことがあるかもしれない。風の力で風車をまわし、動力でタービンをまわして電気をつくる。海外では海の上にたくさんの風車を並べる洋上風力も広がっている。マグマなどの地中の高熱を利用する地熱発電もある。熱で地下水を蒸発させてタービンをまわすんだ。火山の多い日本は地熱発電に向いていると考えられている。

実は、我々の身の回りには自然エネルギーを使っているものが結構あるんだ。例えば、電卓は太陽電池で動いている。水車も川の流れを利用して歯車をまわしている。

ただ再生可能エネルギーには弱点がある。今の技術では電気をいつも安定して取り出すことができない。太陽の光を使う場合、夜や曇(くも)りの日はあまり電気がつくれない。風力発電もいつも風がふき続ければいいけど、そうでない日もある。ずっと同じ量の電気をつくり続ける点では火力発電などの方が優(すぐ)れる。

だから太陽光発電を使う建物は、足りない分を火力発電などでつくった電気でまかなっている。化石燃料にたよらず、再生可能エネルギーだけで暮らすにはどうすればいいのか、研究が進んでいる。たとえば太陽光発電で昼につくった電気を蓄電池(ちくでんち)や電気自動車にためておいて、夜にその電気だけを使い生活できるようにする。市販の蓄電池の効率を高める必要もある。

再生可能エネルギーは地域によって使えないところもある。みんなが使うには、つくった電気をいろいろな場所で使えるような仕組みづくりも大切だね。(自然エネルギー財団、太陽光発電協会に取材しました)

■再生可能エネルギー100%の国も(博士からひとこと)
 エネルギーを化石燃料から再生可能エネルギーにかえる動きは世界中で増えているんだ。アイスランドは既に電力をすべて再生可能エネルギーでまかなっている。火山の多い地形で、地熱発電が3割近くを占める。デンマークは風力発電が総電力量の40%以上だ。気候変動の大きな影響を避けるためには、2030年までに10年比で約45%の二酸化炭素(CO2)削減(さくげん)が必要とする報告書もあり、各国が再生可能エネルギーに力を入れている。
 日本では太陽光発電の普及が進んでいる。太陽光発電の導入量は、12年に初めて5ギガ(ギガは10億)ワットに達し、18年には50ギガワットを超えた。現在の総電力量に対する自然エネルギー電力の占める割合は17%ほどで、政府は30年に22~24%を自然エネルギーでまかなうとしている。日本は温暖化ガスを30年度までに13年度比で26%削減するという目標を掲(かか)げており、達成のためにさらに再生可能エネルギーを増やす必要があるんだ。
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