米大統領選、医療・貿易など舌戦激しく 民主党討論会
参加者半減、候補選別が本格化

2019/9/13 19:00
保存
共有
印刷
その他

【ヒューストン=永沢毅】2020年11月の米大統領選に向けて野党・民主党は12日、候補者による3回目のテレビ討論会を南部テキサス州ヒューストンで開いた。参加した大統領候補は10人と前回から半減。争点の医療制度改革や貿易政策では党内の路線対立も先鋭化し、舌戦が激しさを増す。トランプ米大統領の打倒をめざす民主候補の指名争いは、世論調査で首位を走るバイデン前副大統領を軸に、本格的な選別の局面を迎えた。

12日のテレビ討論会には10人の候補者が出席した=AP

「あなたはオバマ前大統領に関係する何かいい話があれば『私もいた』といつも言う。私だっていたんだ」。オバマ前政権で住宅都市開発長官を務めたカストロ候補が同じく副大統領だったバイデン氏をこう皮肉れば、実業家のヤン候補は自らの支持者10人をランダムに選び月1千ドル(約10万8000円)を配る構想を唐突に打ち上げた。

両氏に共通するのは、支持率3%前後と伸び悩む下位グループである点だ。大統領選の民主候補の指名争いは中道派のバイデン氏がトップを維持し、リベラル派のサンダース、ウォーレン両上院議員がそれに追随する。バイデン氏への激しい攻撃や突拍子もない提案は耳目を集めて上位争いに食い込む戦術だが、焦りの裏返しともいえる。

現時点で立候補を表明している20人のうち、この日の討論会に参加できたのは10人だけだ。その他は(1)個人献金が13万人以上(2)4種類の世論調査で支持率2%以上――の参加条件を満たせなかった。これに先立ち、8月には4人が選挙戦からの撤退を表明した。

10月の討論会は今回の討論会と同じ参加基準だが、11月はさらに厳しくなる見通しだ。バージニア大の選挙アナリスト、カイル・コンディク氏は「10月の討論会にも登壇できない候補は、選挙戦の継続が困難になるだろう」とみる。大統領選の予備選が口火を切る20年2月のアイオワ州での党員集会まで4カ月あまりに迫り、絞り込みが進みつつある。

候補者の選別に伴い、党内の路線対立も先鋭化してきた。「あなたは社会主義者からは信頼を得られる」。バイデン氏は討論会でサンダース氏をこう攻撃した。同氏は国民皆保険や大学無償化など巨額の財源を要する政策が売りだ。それを「極端な社会主義」とレッテルを貼るのはトランプ氏が得意とする手法だが、バイデン氏が用いたのは異例といえる。

サンダース氏も応戦した。「高額の医療費で国民が財政的に破滅しないようにする」と国民皆保険の必要性を訴え、バイデン氏の唱える漸進的な医療制度改革では不十分と断じた。

サンダース氏は自身が北米自由貿易協定(NAFTA)などに反対してきたとして「私とジョー(・バイデン)は貿易でも全く意見が違う」と訴えた。オバマ前政権で環太平洋経済連携協定(TPP)を推進したバイデン氏との違いを際立たせようとした。バイデン氏が03年のイラク戦争に賛成していたことも改めてやり玉にあげた。

「変革を求める支持者には、サンダース氏らリベラル派のほうが中道派のバイデン氏より魅力的に映る」(コンディク氏)。ただ、行き過ぎた対立は禍根を残すリスクもある。

前回16年の大統領選の民主候補の指名争いではヒラリー・クリントン元国務長官とサンダース氏の対立が激化した。同氏の支持者の一部は共和党候補だったトランプ氏と民主党候補のヒラリー氏が大統領の座を争った本選で、ヒラリー氏への投票を見送った。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]