トヨタ東日本、現地主要取引先1.5倍に 生産コスト減

2019/9/13 18:57 (2019/9/13 19:58更新)
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トヨタ自動車が小型車の生産体制強化を加速する。トヨタグループで小型車の生産を担うトヨタ自動車東日本(宮城県大衡村、TMEJ)は東北での部品の主要取引先を、1.5倍の150拠点に増やした。10月にはトヨタの小型車カンパニーのトップがTMEJの社長にも就任し、グループ間の連携を深める。

記者の質問に答える、次期トヨタ自動車東日本社長の宮内一公氏(13日、宮城県大衡村)

記者の質問に答える、次期トヨタ自動車東日本社長の宮内一公氏(13日、宮城県大衡村)

TMEJは東日本大震災翌年の2012年、関東自動車工業とセントラル自動車、トヨタ自動車東北の3社が統合して設立された。トヨタグループで小型車生産を担い、中部と九州に次ぐ「第3の生産拠点」だ。小型車「ヴィッツ」「シエンタ」などを生産している。

TMEJは地場の東北で、プレス部品や内装部品などの主要取引先を設立当初の1.5倍の約150拠点(19年3月時点)まで増やした。「アクア」をはじめ車両の分解展示会を開くなど地元企業に自動車産業への参入を促しており、約2300人の雇用を生み出したという。まだ中部の部品メーカーからの調達も目立つが、地場調達を増やし部品の物流コストの低減などを進め、小型車の競争力向上を進めている。

生産面でもカイゼンを積み重ねている。宮城大衡工場(大衡村)の「シエンタ」のバックドアを開ける作業で、車体とドアの間に袋を差し込み、膨らませてドアを開ける「からくり」の仕組みで自動化した。1日当たり、従業員がドアを300回持ちあげていた作業をゼロにした。これまでに約140種類のからくりを生み出しており、工場間の共有も進めている。

併せてTMEJは生産拠点の東北への集約を進めている。「ポルテ」「スペイド」などの生産を手掛け、1000人超の従業員を抱える東富士工場(静岡県裾野市)を20年までに閉鎖し、従業員を東北に移す計画だ。さらに18年10月には、グループ会社の豊田自動織機からの移管を受け、小型車「ヴィッツ」の生産を岩手工場(岩手県金ケ崎町)始めている。

今後、部品の共通化で開発を効率化する新たな設計開発手法「TNGA」の小型車投入も始まる。小型車市場は競争が激しい。地場調達や生産の効率化などで、売れる新型車を生み出せるか、競争力が試される。

(藤岡昂)

■企画や生産「1チームで」 トヨタ自動車東日本次期社長
TMEJは13日、10月1日付で社長に就任する宮内一公氏らが記者会見した。宮内氏は社長就任後もトヨタの小型車カンパニーのプレジデントを兼任し、トヨタグループ全体の小型車の企画、開発、生産まで責任を持ち、体制を効率化する。
 宮内氏は小型車市場は「最も競争が激しい」と指摘した。国内需要については若者や運転のしやすさを求めるシニア、シェアリングでの活用向けで「ポテンシャルは非常に高い」とみる。
TMEJと小型車カンパニーの間では延べ100人単位で、人材を交流してきた。今後は「拡大して壁をぶちやぶり、1つのチームにする」と強調した。
7月に相互出資を発表したスズキ、子会社のダイハツとの間も「(電動化や自動運転など)CASEの先進技術開発も連携する。切磋琢磨(せっさたくま)が総合力になる」とした。
 国内の2018年度の軽自動車市場は192万台と、国内新車市場全体の4割弱を占めた。うちダイハツが61万台、スズキが59万台を販売した。トヨタは苦手としてきた小さい車づくりを2社から学ぶことで価格競争力を高めつつ、消費者にとって魅力のある付加価値をつけることができるかが課題となる。
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